【2月13日 AFP】29歳のある女性は「おかげで不貞な夫に復讐できた」と話し、45歳の既婚男性は「離婚を避けることができた」と語る──インターネットを通じた不倫は、多くの人々にとって特別なことではなくなってきている。

「人生一度。不倫をしましょう」。こんな刺激的な宣伝文句を掲げた不倫用サイト「アシュレイ・マディソン(Ashley Madison)」がカナダで2002年に立ち上げられて以降、ネット上で不倫相手を求める人の数は急増した。

 現在では、「www.datingforcheaters.com」(浮気者のための出会い)や「www.heatedaffairs.com」(熱い情事)など、実に露骨なドメイン名で不倫相手が見つかることをうたう同様のサイトが数十個も存在する。

 アシュレイ・マディソンを創設したノエル・ビダーマン(Noel Biderman)氏は、既婚者に特化したサイトを提供することで、「多くの既婚男女が持つ空白を満たしてきた」と話す。現在の利用者数は世界35か国で約2500万人、2013年の収益は1億ドル(約102億円)という。

 だが果たして、このようなサイトの存在は、不倫を助長し、その数を増加させる一因となっているのだろうか。

 米ワシントン大学(University of Washington)のペッパー・シュウォーツ(Pepper Schwartz)教授(社会学)は、サイトが不倫の増加を招いたかどうかは「核心的なデータがないため、はっきりは分からない」とした上で、「私の推測では、不倫増加の一因だと思う。パートナー以外とのセックスを強く望むものの、それをどう実行するか、どうやったら安全にできるかなどについて全く知らない人が多いからだ」と話した。

 シンガポール出身の女性、ジンキーさん(29)がいい例だ。彼女は、「www.datingforcheaters.com」の広告を目にし、不倫をしようと決意した。電子メールを通じてAFPの取材に応じたジンキーさんは「私は18歳というとても若い年齢で結婚しました」と語った。かなり年上の夫が浮気をしていたことを知り、復讐のために不倫サイトを利用するようになったという。