【12月26日 AFP】フィギュアスケート男子のエフゲニー・プルシェンコ(Evgeni Plushenko、ロシア)が25日、長引くけがのため、母国ロシアで開催される2014年ソチ冬季五輪でのシングル競技出場を断念すると発表した。

 この衝撃的な決断により、ロシア国民が、同国スポーツ界で最大級のスターであるプルシェンコを五輪のシングルで応援することは叶わなくなった。またこれまで輝かしいキャリアを築いてきた31歳のプルシェンコの、五輪で奇跡的な復帰を遂げる夢は経たれた。

 しかし羽生結弦(Yuzuru Hanyu)やカナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)にとっては、冬季五輪でとりわけ注目を集めるフィギュアスケートのシングルで、金メダルを獲得するチャンスが大きく広がることとなった。

 プルシェンコは、今週ソチで行われたロシア選手権の会場で今回の決断を発表。理由について五輪の開幕が来年2月7日に迫っていることを挙げ、ほぼ1年にわたる離脱後、また落ち着いて氷の上に立てるようになるにはあまりにも時間が足りないと説明した。

 一方でソチ五輪で実験的に初開催される団体戦については当初の通り参加の意向を示しており、国内通信社のRスポーツ(R-Sport)が報じたところによると、「団体戦のメンバーには選ばれるだろうから、男子シングルの枠は若い選手に譲ろうと思う」とコメントした。