【12月6日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は5日、同教会の聖職者による未成年者への性的虐待問題に対応するための委員会を設立した。教会内部からは前例のない取り組みとして歓迎する声がある一方、被害者団体からは「実効性がない」と批判的な見方が出ている。

 委員会の構成や具体的な任務はまだ決まっていないが、ローマ法王庁はこの委員会でこれから聖職者になろうとする人に対する綿密な事前審査や、今後疑惑が持ち上がった際の行動規範や指針を設けることが可能になるとしている。さらに、教会による被害者支援の方法を提案したり、教会内外の捜査官の協力を強化したりすることにもつながるとしている。

 この動きについて、カトリック教会内からは広く支持する声が上がったものの、米国の聖職者による性的被害者の団体「SNAPSurvivors Network of Those Abused by Priests)」は「無意味」で「実効性のない教会内の委員会」にすぎないと断じ、聖職者の性犯罪は教会外の当局が対応すべきという考えを示した。

 SNAPのデービッド・クロヘシー(David Clohessy)代表は、「役に立つとすればはっきりと結果の出せる行動だけ。これ以上研究も委員会も口約束も要らない」と言い切った。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE