【11月19日 AFP】2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)欧州予選プレーオフに臨むフランスは、19日に行われるウクライナとの第2戦で0-2の劣勢を逆転できなければ本大会出場を逃すことになる。

 1994年W杯米国大会の欧州予選、引き分けでも本大会出場が決まるブルガリア戦で1-2と敗れてから20年、スタッド・ド・フランス(Stade de France)での一戦がレ・ブルー(Les Bleus、フランス代表チームの愛称)での運命を左右する。

 当時のジェラール・ウリエ(Gerard Houllier)代表監督率いるチームに名を連ねていたディディエ・デシャン(Didier Deschamps)現監督はベンチに入り、20年振りとなる主要大会の予選敗退を免れようと必死になっている。

 寒く、敵意むき出しの雰囲気のキエフ(Kiev)で行われた15日の試合で、フランスは積極果敢なウクライナに敗れた。

 フランスは、第1戦につけられた2点差をひっくり返して本大会への切符をつかまなければならないが、欧州予選ではこれまでどの国もそれを成し遂げたことはない。

 デシャン監督は、初戦で中盤のプレーメーカーの位置にマチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)ではなくサミル・ナスリ(Samir Nasri)を入れてたが効果が出ず、フランスのメディアにその采配を批判された。

 さらに、ウクライナのフィジカルを押し出し、カウンターアタックを仕掛けるアプローチにチームは対応できず、厳しいマークをつけられたフランク・リベリ(Franck Ribery)は印象を残すことができなかった。

 第2戦には大幅な改善が求められるが、デシャン監督は17日の記者会見で最善を尽くして明るく振る舞った。

「(キエフ)で顔をひっぱたかれたが、われわれにはひっくり返すチャンスがある。可能性は本物だ。それが小さいチャンスだろうと、中くらいだろうと大きかろうと関係ない」

「トップレベルのパフォーマンスを披露する必要がある。尋常ではないパフォーマンスをだ。時は味方ではないが、私は一番信じている」

 デシャン監督は、初戦で2失点目のPKにつながるファウルを犯し、その後相手選手との衝突でレッドカードを受けたローラン・コシールニー(Laurent Koscielny)なしで戦いに臨むが、ウクライナもコシールニーとの言い争いでオレクサンドゥル・クチェル(Oleksandr Kucher)が出場停止となっている。

 しかしながら、初戦を膝の問題で欠場したラファエル・バラン(Raphael Varane)が次戦は出場可能だと、デシャン監督は明らかにしている。

 一方、初戦で苦しめられたクチェルの欠場を歓迎するであろうオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)は、第2戦への抱負を包み隠さず明かした。

「本大会出場に向けて、ピッチで死に絶える準備はできている。言葉はおおげさだが、僕らはフランスを、フランス国民を代表していることを誇りに思っていることを示したいんだ」

「フランスがW杯に出られないなんてまだ想像できない」

 ヨルダンとの大陸間プレーオフでウルグアイの勝利が見込まれる中、フランスが過去の優勝国として唯一予選敗退となるチームになる可能性がある。(c)AFP