【10月25日 AFP】米情報機関の元トップが匿名で応じたインタビューが立ち聞きされ、その内容が24日、ネット上で暴露された。インタビューでは、バラク・オバマ(Barack Obama)政権に対する批判などが含まれていた。

 インタビューが立ち聞きされたのは、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)の局長および米中央情報局(CIA)長官を務めたことのあるマイケル・ヘイデン(Michael Hayden)氏だ。

 米東海岸の主要都市を結ぶ特急列車のなかで、複数の報道媒体と電話でのインタビューに応じていたヘイデン氏は、すぐ近くに市民権利団体「MoveOn.org」の政治行動委員会ワシントン支部の元代表トム・マッジー(Tom Matzzie)氏が座っていたことに気付かなかった。

 マッジー氏は、近くから聞こえてくるインタビューの内容をその場でマイクロブログのツイッター(Twitter)に投稿した。ヘイデン氏は、NSAの情報収集活動問題、外国にあるCIAの秘密収容所、オバマ大統領の携帯電話などについて語っていたという。

 これより数時間前には、NSAが世界の指導者35人の電話を傍受していたことが明らかになったばかりだった。

「NSAの前トップ、マイケル・ヘイデン氏が私の後ろで、『ある元政府高官』として色々としゃべっている」「特急列車の中で『オフレコ』のインタビューに対応している。まるでNSA内部にいるような感じだが、これは公共の場だ」(マッジー氏)

 ツイートを開始してから約15分後、マッジー氏は「電話が鳴っている。おそらく誰かが私がここで立ち聞きしているのを伝えたのだろう。隠れるか?」と投稿し、暴露していたことが分かったのかもしれないと伝えた。実際、ヘイデン氏に事務所から連絡があり、ツイートされていることがあからさまになってしまった。

 しかしヘイデン氏は、マッジー氏に「愛想良く」対応し、その場でのインタビューを提案した。インタビューでは、外国での情報収集活動、不合理な捜索および押収を禁じた合衆国憲法修正第4条などについて話したという。

 インタビューを終えたマッジー氏は「たった今、マイケル・ヘイデン氏とすばらしい会話をした。彼は紳士的だ。われわれは意見が合わない」と述べ、2人が一緒に収まった写真を投稿した。

 しかしその後のツイートでは「正直に言うと、今は少し怖い。情報機関(とそれを取り巻く環境)は、暗く恐ろしい」とのメッセージを投稿している。(c)AFP/Olivia HAMPTON