【12月10日 AFP】世界のニンニクの4分の3を生産する中国で、ニンニク価格が例年の40倍に跳ね上がり、「ニンニク長者」も誕生する事態となっている。急騰の一因は、新型インフルエンザA型(H1N1)の予防効果がニンニクにあると漢方医が推奨したためのようだ。

 中国のニンニクは2008年、世界的な金融危機による需要の低迷で、農家が栽培を縮小して供給量が減っていた。このため、価格高騰は株や不動産はもとより、金価格をもしのぐ勢い。この機を逃すまいと、実業家や投機家たちはニンニクに巨額の投資を行い、ニンニク成金も登場している。

 国営新華社(Xinhua)通信が今週報じたところによると、ニンニク産地の山東(Shandong)省では前月、今年初めには1キロあたり0.2元(約2.6円)だったニンニクの小売価格が9元(約116円)を記録した。

 価格が急騰し始めたのは、9月ごろだという。新型インフルへの懸念が高まったところに、漢方医らが新型インフル予防としてニンニクを推奨したことが背景にあると見られている。(c)AFP/D'Arcy Doran