ロンドンのドラム職人、皮に付着した炭疽菌を吸い込み死亡
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【11月3日 AFP】ロンドン(London)のドラム職人が2日、輸入された皮を扱っている最中に炭疽菌を吸い込み、死亡した。
イーストロンドンのホマートン病院によると、ハックニー(Hackney)在住のフェルナンド・ゴメス(Fernando Gomez)さん(35)は、集中治療室(ICU)で数日間治療を受けていたが、2日未明に容体が急変し、昼頃亡くなった。
英健康保護局(Health Protection Agency、HPA)は、ゴメスさんが住んでいたフラットを既に立ち入り禁止にしている。ゴメスさんが炭疽菌に感染した当時、作業所では7人が働いていた。7人には今のところ炭疽菌に感染した兆候は見られないが、念のため抗生物質が投与された。作業所の立ち入り検査は今週にも行われる予定だ。
炭疽菌は、通常は接触により感染する。家畜にのみ感染するとされるが、感染した動物を扱ったり食したりした人間に感染する場合もある。今回のように吸引により感染することは、極めてまれだ。
HPAは、炭疽菌の感染リスクは動物の皮を張るドラム作りの職人に限られ、ドラム演奏者への感染リスクはほとんどないことを強調している。また、輸入される皮には厳格な規制が設けられているとしている。
国内では、同様の事故が2006年にも発生している。この時は、手工芸品やドラムなどの楽器を作ることを仕事としていたクリストファー・ノリス(Christopher Norris)さん(当時50)が、炭疽菌に感染して死亡した。炭疽菌に汚染された西アフリカ製のドラムをたたくなどして触ったことが原因で、炭疽菌を吸引したとみられている。(c)AFP