典型的なアメリカンシルエットで知られる「マイケル コース」は、1981年に設立。ラグジュアリーでウェアラブル、リラックスしたスタイルで、これまでハリウッド女優や音楽界のスター、ファーストレディのファッションを手がけてきた。そのうちの1人がメラニア・トランプ。19日にパナマ共和国(Panama)の大統領夫妻を迎え入れる際、「マイケル コース」を身にまとっていた。

 夫であるトランプ大統領の政治に反対し、彼女の衣装提供を断る有名デザイナーたちもいる。だがスロベニア(Slovenia)出身の元モデルであるメラニア夫人は、過去にコースのショーに出席したこともある。「政治的なことだとは思っていない。彼女はずっと私のクライアントだった」とコースは説明する。スクリーンに映し出されたメラニア夫人の写真に対しては「彼女は美しい」と、さらりと述べた。

 しかし同社は、世界的なアパレル帝国のトップに君臨しつつも、100~125にいたるショップを閉鎖すると発表。Eコマースのさらなる市場独占により、実店舗を閉鎖する小売業者の後に続いた。

 同社は5月31日、昨年の第4四半期の結果を発表。総収入は11.2%下降し、10億6000万ドル(約1176億9000万円)となった。小売における逆風について尋ねられたコースは、直接商品を見て購入する喜びは何にも代えがたいと語る。現代の顧客がどれだけ頻繁にオンラインで商品を見かけたとしても、だ。

「スマホやパソコンから、どのようにオンラインショッピングをするのか。あるいはどのようにショップで購入するのか。それらを連動させる方法を考慮しなくてはならない時がきている」とコースは話した。(c)AFP/Jennie MATTHEW