【4月10日 MODE PRESS】東京都現代美術館(The Museum of Contemporary Art Tokyo)で4月11日から6月28日まで「山口小夜子 未来を着る人」展が開催される。

■晩年まで時代の先端を走り続けた山口小夜子

 1972年にパリコレクションに登場し、瞬く間に世界から注目を浴びるトップモデルとなった山口小夜子(Sayoko Yamaguchi)。国内でも、それまで西洋人モデルを起用していた資生堂の広告に登場し、アートディレクターの中村誠(Makoto Nakamura)氏や写真家の横須賀功光(Noriaki Yokosuka)氏、メーキャップ・アーティストの富川栄(Sakae Tomikawa)らとともに新たな美の概念を打ち出し、世間に衝撃を与えた。また晩年は、ファッションに留まらず、音楽、映像、朗読、パフォーマンス、ダンスなどに幅広いプロジェクトに携わり、クリエイター、パフォーマーとして時代の先端を走り続けた。

■モデルとしてのキャリアに焦点を当てた前半

 展覧会の前半部分ではそうした彼女のモデルとしてのキャリアやそこに至るまでの軌跡に焦点を当て、彼女自身が所有していた雑誌や写真、スクラップブックやレコードなどとともに、やまもと寛斎のパリコレクションのために手がけたイラスト画やパリコレクションのランウェイ映像などが公開されている。また、1973年から86年まで専属契約を結んだ資生堂の広告やCM、セルジュ・ルタンスとのコラボレーションで制作した資生堂の海外向けの作品なども展示している。

■晩年の多彩な活動を紹介する後半

 展覧会後半では、これまであまり取り上げられてこなかった晩年の小夜子に着目。ファッションのみならず、音楽、映像、演劇、朗読、パフォーマンス、ダンスなど彼女が携わってきた様々なジャンルのプロジェクトが紹介されている。

 また小夜子とともに活動し、現在も第一線で活躍している宇川直宏、森村泰昌、山川冬樹、エキソニモなどの表現者たちが、今回の展覧会のために制作した作品も展示。宇川が「山口小夜子だけに見せるDOMMUNE」というテーマで制作した同展覧会でのみ配信される番組や、小夜子がかつて登場した広告から小夜子だけを消去して、その不在を改めて感じさせるエキソニモの作品など、彼女にオマージュを捧げるインパクトある作品が並ぶ。

■自らを「ウェアリスト(着る人)」と名乗った小夜子

 「私は、人間は心が身体を着ているという言い方もできると思いますし、もっと言えば、人間はそれを取り巻くすべてのものを着ている。空気も光も」と語り、自らを「ウェアリスト(着る人)」と名乗った小夜子。「着る」という行為を芸術にまで高め、数多くの表現者たちに多大な影響を与えたその圧倒的な存在感を、音、映像、写真、ファッションと多彩な方法で感じられる展覧会になっている。

■展覧会概要
山口小夜子  未来を着る人
会期:2015年4月11日(土)~6月28日(日)
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(5月4日は開館)、5月7日(木)
会場:東京都現代美術館 企画展示室B2F
観覧料:一般1,200円(960円)
大学・専門学校生・65歳以上900円(720円)
中高生600円(480円)
小学生以下無料(保護者の同伴が必要です)
※( )内は20名以上の団体料金

■関連情報
・東京都現代美術館 公式HP:http://www.mot-art-museum.jp/
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