【10月4日 MODE PRESS】ファッションデザイナーのトム・フォード(Tom Ford)は、仕事の原動力には過去の挫折体験も要因の一つであることを明かした。2012年の春夏コレクションで厳しい評価を受けたことも、彼の成長の糧になっているようだ。

 彼はオンラインサイトThe Business of Fashionのインタビューに、「私は失敗や不完全なことがあるからこそ成長することができました。3シーズンほど前からは、これまでより仕事を絞って、それに集中するようにしています。前回と前々回のコレクションに関してはとても良い出来だったと思いますし、メディアへの露出も多かったですね」と語っている。

 2004年のブランド立ち上げ当初から、主にメンズウエアを制作してきたトムだが、世界的なブランドにするためには、ウィメンズウエアにも手を伸ばす必要があると気がついたという。「(レディースウエアを)魅力的に思わなかったわけではありませんよ。しかし、25年間の間、一年に16のコレクションを発表していました。しかも服だけを扱っていたわけではなく、ファッションに関連したあらゆる分野の仕事をしていました。忙しすぎて疲れきってしまったのです。女性向けのファッションビジネスはおそらく世界で一番難しいビジネスだと思います」

 2009年には、映画『A Single Man』で監督デビューも果たし、批評家から多くの称賛を受けた。そして、今後もファッションと映画の両方へ情熱を注ぎたいと語っている。

 「(仕事をいつまで続けるかについて)まだ真剣に検討する時ではないと思っています。まだまだこれからですからね。私はまだ52歳ですし、死ぬその時まで働いていたいと思っています」(c)Bang Showbiz/MODE PRESS