■過去にもイスラム過激派の影

 しかしカタルーニャには、イスラム過激派が活動を行ってきた長い歴史がある。

 1995年にスペインで初めてイスラム過激派戦闘員の存在が確認されたのも同州だった。アルジェリアの武装イスラム集団(GIA)に所属し、2001年9月11日に米ニューヨーク(New York)で発生した同時多発テロでワールドトレードセンター(WTC)に突っ込んだ旅客機を操縦していたモハメド・アタ(Mohammed Atta)容疑者が、その襲撃直前にカタルーニャに滞在していた。

 2008年には、バルセロナの地下鉄を標的とした襲撃が未然に阻止された。ただ計画は、既にかなり進んだ段階だったとされる。

 バルセロナに本社を置く地方紙バンガルディア(La Vanguardia)は昨年、治安筋の話として、カタルーニャにはイスラム教サラフィー主義(Salafi)の礼拝所が多数存在し、最新調査では50か所あったと報じている。

 現在では、移民2世の居住者も相当数に達している。この層に含まれる若者集団が、先週の襲撃の実行犯だと考えられている。大半がモロッコ出身の移民の子らで、ピレネー山脈(Pyrenees)の麓の町リポイ(Ripoll)で育ったとされる。

 リポイは観光客が多く、失業率も目立って高いわけではない。また近隣住民は容疑者らについて、仕事熱心で真面目な少年たちだったと話している。

 一方で警察は、わずか数か月のうちに過激派に変貌するという、急速な過激化の事例だった恐れもあると警告している。

 治安当局にとって、これは最大の頭痛の種といえる。中東の紛争地域からの帰還者とは違い、こうした潜在的なイスラム過激派は摘発が困難だからだ。(c)AFP/Adrien VICENTE and Michaela CANCELA-KIEFFER