■環境面での「大失敗」

 この問題に詳しい専門家の一人、生物学者のマリオ・モスカテッリ(Mario Moscatelli)氏は16日、AFPの取材に「21世紀のリオデジャネイロの公衆衛生は、18世紀のそれと何ら変わっていない。この都市を流れる川はすべて、下水道として使われている」と語った。

「リオの湾については、これまで何の措置も講じられてこなかったため、五輪の開催を受け入れる状態にはない。すべて制御下にあるとしているが、実際には今日まで何もなされていない。フラメンゴ(Flamengo)にある水処理場には、医療系廃棄物を処理する設備はない」

 環境面では、リオは「完全な大失敗であり、五輪委員会はその事実から目を背けている」とモスカテッリ氏は言う。「清掃のための時間は刻々と少なくなっている。同委員会は競技参加者らに予防接種することで対処しなければならなくなるのは避けられないだろう」

 今回のスーパーバグ発見について、2016年リオデジャネイロ五輪組織委員会(Rio 2016 Organizing Committee)からはこれまで、AFPの取材への回答は寄せられなかった。(c)AFP/Antonio Scorza