【12月14日  People’s Daily】現地時間7月19日、フランス・ストラスブールで開催された「世界ロボット外科学会」において、中国製の手術支援ロボットが稼働していた。浙江大学医学(Zhejiang University)院附属邵逸夫医院の梁霄(Liang Xiao)教授が操作台に座り、両手でコントロールレバーを精密に動かしていた。

そこから1万キロ以上も離れた中国の手術室では、付き添い医療スタッフが見守る中、ロボットアームが梁教授の操作に同期して精密に動き、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)在住の80歳の患者・呉(Wu)さんに対して手術を執り行っていた。

呉氏は以前から入院しており、元来は主治医の梁教授が医院にいるタイミングで手術を行う段取りだった。しかし、梁氏が海外で学術会議に参加している間に呉さんの病状が進行し、手術は待ったなしの状況となった。最適な治療タイミングを逃さないため、また呉さんの主治医への厚い信頼を背景に、総合的な検討を経て、医師と患者の双方は、医院が保有する最新の国際遠隔医療ロボット技術を使って手術を行うことに合意した。

中国国産の手術支援ロボットの補助の下、手術はわずか50分で無事成功裏に終了した。梁氏はロボット支援による超遠隔操作の肝癌左葉切除手術を成功させ、患者は順調に回復している。
「過去の病歴から、呉氏の肝臓の状態は複雑であり、今回の手術の難易度を高めていた」と梁氏は説明する。手術チームは事前に患者の肝臓の耐久能力を全面的に詳細に評価し、科学的で合理的な切除範囲を特定した上で、遠隔手術の実施について患者のインフォームド・コンセントを得た。中国国内の手術室に待機する支援スタッフは準備を整え、操作台で手術の進捗をリアルタイムで監視しながら緊急事態に対応することで、万全を期した。

肝切除術はそもそも難易度の高い手技であり、特に1万キロ以上も離れた状況下で執り行う場合には、ロボットの安定性、通信ネットワークの円滑さ、執刀医の技術レベルおよび臨床対応能力に対して、非常に高い要求が課せられる。

手術中、ロボットは安定して作動し、画像はリアルタイムで鮮明に伝送され、音声によるやり取りも円滑に行われた。フランスと浙江の両地にいる支援専門家らは、優れた技術と緊密な連携をもって、設定された全ての手術目標を達成した。

浙江大学医学院附属邵逸夫医院は国産手術支援ロボットのイノベーションと研究開発に深く関与しており、すでに複数の院内エリアで遠隔ロボット手術を常態化させている。さらに、人工知能などの技術を基盤に、新疆ウイグル自治区新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)アラール市(Alaer)や浙江省江山県などの病院と連携し、遠隔ロボット手術、遠隔合同診療、遠隔AI超音波検査を含む遠隔医療の「一連のシナリオ」を共同展開している。これにより、高度医療機関と地域のベースレベルの医療機関との多点連携を実現し、辺境地域や山間部・離島における医療資源の不均衡という課題の解決に取り組んでいる。

梁氏とその医療チームは2023年、国産ロボット手術システムを応用し、5000キロ離れた新疆・アラール医院にいる患者に対して胆嚢摘出手術を成功させた。そして今回、フランスに渡るほんの数日前にも、梁氏は遠隔執刀により、浙江省の山間部にある江山県の患者に対して、遠隔ロボット支援肝癌手術を実施していた。

「遠隔ロボット手術は、長距離情報伝達の速度と安定性を高度に要求する。5Gネットワークは、その高速・大容量・低遅延といった利点により、遠隔医療分野、特に遠隔ロボット手術の発展に大きな変革をもたらしている」と梁氏は語る。

遠隔外科の革新的な発展は、手術支援ロボットを単なる「操作ツール」から「医療プラットフォーム」へと着実に飛躍させ「低侵襲医療」の先端技術を遠く離れた地へと届け、より多くの患者に恩恵をもたらしている。(c)People’s Daily /AFPBB News