中国のEVメーカー・理想汽車 初のAIスマートグラス「Livis」を発売
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【12月7日 CGTN Japanese】中国の新興電気自動車メーカーである理想汽車(リ・オート)は12月3日、初の人工知能(AI)スマートグラス「Livis」を正式に発表しました。価格は1999元(約4万4000円)からで、軽量化や長時間駆動を特徴とし、同社が注力するエンボディドAI領域への本格的な参入を示す製品となります。
Livisは36グラムと軽量で、18.8時間の稼働が可能です。無線充電対応の専用ケースやType-C端子を備え、全モデルにカールツァイス製の高品質レンズを採用します。近視・遠視、ブルーライトカット、調光レンズなど多様なバリエーションを展開し、日常利用と運転時の使用に対応します。
最大の特徴は、車両との連携機能とスマート調光レンズです。車の操作や撮影、録音にも対応し、ユーザーの行動と車両システムをシームレスにつなげます。理想汽車は、スマートグラスを「人と車、ロボットをつなぐ新たなインターフェース」と位置付け、AIシステムの継続学習にも活用するとしています。
背景には、自動車産業の構造的課題があります。自動車は購入頻度が低くなり、メーカー各社はユーザー接点の強化とブランドロイヤルティ確保が急務となっています。理想汽車がスマートグラス市場に参入したのも、継続的にユーザーを囲い込む新たな「顧客接点」を求めた結果とみられます。
Livisには、同社が開発した大規模マルチモーダルモデル「MindGPT-4o」を搭載したAIアシスタント「理想同学」を組み込みます。同アシスタントはすでに約150万台の車両で運用されており、数億件の指令を処理した実績があります。
AIグラス市場は中国、海外ともに活況が続いています。CINNO Researchによれば、2025年7~9月期の中国のAI/AR関連デバイス販売量は前年同期比186%増と急拡大しました。
理想汽車はAIスピーカーなど周辺デバイスにも事業領域を広げる方針で、スマートグラスは同社のエコシステム強化に向けた重要な一歩となりそうです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News