四川で最大規模の金鉱を確認 累計埋蔵量81.06トン
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【12月9日 東方新報】中国・四川省(Sichuan)自然資源庁はこのほど、「松潘県・東北寨金鉱床の探査」プロジェクトが省鉱物資源埋蔵量審査センターの審査を通過したと発表した。今回の評価で新たに28.24トンの金資源量が確認され、累計は81.06トンに到達した。特大型の金鉱規模に分類され、平均品位は1トンあたり3.75グラム。これは、四川省でこれまで登録された金鉱としては最大となる。
東北寨金鉱の探査は、四川省地質鉱産探査開発局傘下の第十地質大隊が担当してきた。この金鉱は1970年代に最初に確認され、その後何世代にもわたる地質技術者が調査を続けてきた。これまでに累計約10万メートルのボーリング調査、延べ4000メートルを超える坑道掘削、3万5000件に及ぶサンプル分析が行われ、ようやく大きな成果に結びついた。立地条件にも恵まれ、開発の将来性が高い経済的・戦略的価値を持つ鉱床と評価されている。
探査に加えて、本プロジェクトでは成鉱作用の解明、地質構造との関係性の研究など複数の学術課題も並行して進行した。構造地質学的な特徴や鉱物学的性質を多角的に調べ、「東北寨型」と呼ばれる微細浸染状金鉱床の成鉱モデルを構築した。また、高砒素・高炭素という処理が難しい鉱石の選鉱試験にも成功し、今後の開発に向けた技術的な基盤が整った。
四川省自然資源庁の関係者は、東北寨金鉱の発見は、これまでの同省における金鉱探査の構図を大きく塗り替える成果だと説明。四川西部で金鉱の戦略拠点を形成する上で重要な資源確保につながり、同省の金鉱分野における全国的な位置づけを高めるものだと評価した。またこの成果は、同タイプの鉱床探査において中国国内の重要なモデルケースにもなるという。(c)東方新報/AFPBB News