【12月4日 東方新報】中国スマートフォンメーカー「栄耀(HONOR)」は11月24日夜、「Honor 500」シリーズを発表した。新機種は薄型のフラットディスプレイを採用し、ネット上では「iPhone Airに似ている」と話題になった。厚さは7.75mmで、ブランド側は軽さを強調している。

栄耀だけでなく、今年の新機種には薄型・軽量化を前面に出すモデルが増えている。iPhone Airの発売後、華為技術(ファーウェイ、Huawei)は「Mate 70 Air」の先行販売を開始し、聯想集団(レノボグループ、Lenovo)の「moto X70 Air」など、各社が「Air」を冠したモデルを投入している。Vivoも薄型重視の新機種を準備しているとされる。通信アナリストによれば、中国メーカーは軽量モデルを複数展開することで、用途や画面サイズの違いに柔軟に対応できる点が特徴だ。また、国内ブランドはスマホと車載機器・家電との連携機能を強化しており、複数デバイスを使い分ける利用者に向いているという。

■ 「サブ機需要」が背景に

専門家によると、薄型・軽量スマホは新しいカテゴリではなく以前から存在していた。近年、大画面で高性能な機種が主流となる一方で、携帯性を重視する層は一定数いる。特にサブ機としての需要が増えており、軽さや薄さを優先するユーザーは主力スマホとは別の選び方をする傾向がある。世界的な市場調査会社IDCの研究者は、現在のスマホはカメラ、放熱、バッテリーなど内部部品が大型化しており、軽く薄くすること自体の難易度が高いと指摘する。それでも最近の軽薄モデルは、性能や発熱対策、通信品質などを一定水準保ちながら軽量化を実現しているという。

軽量スマホの利用者は、大きく二つに分かれる。

一つは主力機とは別に持つ「セカンドスマホ」層。もう一つは、配達員など長時間スマホを扱う職業で、負担を減らしたい層である。今回の「Air化」の流れは、従来の高価格帯ではなく、こうした実用需要に向けたモデルが中心になっている。

■ 購入するのは誰か?

薄型・軽量スマホの課題として多く挙がるのがバッテリー性能だ。軽量化のためにバッテリー容量が縮小されやすく、使い勝手とのバランスが問われる。IDCの研究者は、「軽さがメリットになっても、基本的な使用体験が損なわれては意味がない」と話す。市場では、Air型スマホはまだ大多数のユーザーが選ぶ主流機ではない。iPhone Airの販売状況を見ても、小型・軽量はニッチな需要にとどまっており、過度な薄型化で性能面が削られた場合、市場の支持を得にくい。

それでも専門家は、軽量・薄型を追求する試みは今後も続くとみている。コンパクトさと性能、そしてバッテリー持ちの両立はモバイルデバイスの共通課題であり、「Air化」はその一つの方向性として今後も模索されるという。(c)東方新報/AFPBB News