【11月30日 東方新報】広州税関によると、今年1~10月の広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の対外貿易額は1兆200億元(約22兆5083億円)となり、過去最高を更新した。輸出は前年同期比20.5%増と大幅に伸び、主要な外貿都市の中で最も速い伸びを記録した。

越境EC総合試験区の設立から10年が経ち、越境ECは中国の貿易高度化を支える重要な原動力となっている。広州市は今年、希音(シーイン、SHEIN)、アマゾン(Amazon.com)、アリエクスプレス(AliExpress)などと連携し、「越境EC+産業帯」イベントを相次いで開催し、市全体の越境EC取引を二桁成長へと押し上げた。

SHEINをはじめとする越境EC大手は、国内サプライチェーンへの投資や産業高度化を進める一方で、海外市場ではブランドや販売者の参入を促し、販路拡大を支援している。ブランド育成プログラム「SHEIN Xcelerator」や開発者向けの「サービスオープンプラットフォーム」などを通じ、共生を理念とする新たな産業エコシステムの構築に取り組んでいる。

SHEINは国内約400都市の産業帯をカバーし、製造業のデジタル化・グリーン化を後押ししてきた。独自の「小ロット高速生産」モデルを軸に、技術支援、研修、工場改修、サプライヤー向け公益プログラムを進め、2023年に開始した「5年で5億元(約110億3350万円)」の支援計画では、すでに累計3億元(約66億2010万円)近くを投じている。今年も技術革新や研修分野に3000万元(約6億6201万円)規模の投資を行い、工場支援や労働者支援プロジェクトを継続している。

また、2023年にプラットフォーム型モデルを導入して以降、この柔軟な供給方式をより多くの産業帯に広げ、製品の海外展開を加速してきた。2024年6月時点で、全国約400都市の産業帯から第三者販売者やブランドが参入している。SHEINは広州を中心に、肇慶市(Zhaoqing)、仏山市(Foshan)、江門市(Jiangmen)などへ供給網を拡張し、累計150億元(約3310億500万円)以上を投じてスマートサプライチェーンを構築している。

海外市場では、米ポップカルチャー系フィギュアブランド「ファンコ(Funko)」、米子供服ブランド「チルドレンズプレイス(The Children’s Place)」、韓国の家庭用品メーカー「LocknLock」など各国ブランドがSHEINに出店している。SHEINの若年層ユーザーの多さと発信力は、海外ブランドが同社と協力する大きな理由となっている。フランスではアパレルブランド「Pimkie」がSHEINと提携し、生産管理・物流などのカスタムサービスを活用して新たな成長を狙う。英国の老舗靴ブランド「クラークス(Clarks)」も参入し、新規ユーザーへの接点を拡大している。スペインでもシューズブランド「Porronet」、サングラスブランド「ホーカーズ(Hawkers)」、家電ブランド「Create」などがSHEINを通じて欧州市場での販路を広げている。

ブランド育成プログラム「SHEIN Xcelerator」では、テスト開始から現在までに約20ブランドが参加し、累計売上は30億元(約662億100万円)に達した。初年度から指数的に売上を伸ばしたブランドも多く、英ファストファッションブランド「ミスガイデッド(Missguided)」は2年で16億元(約353億720万円)超の売上を見込んでいる。

SHEINは今年、世界の開発者向けに「サービスオープンプラットフォーム」を開放し、商品管理、在庫管理、注文処理、画像制作など、多様な支援サービスを強化している。開始から間もない段階にもかかわらず、すでに3000社以上のソフトウェア企業が参入協議を進めている。

今後もSHEINはプラットフォーム資源を統合し、世界の優れた商品や新興ブランドを支援することで、より多くの販売者が質の高い持続的な成長を実現できるよう取り組む方針だ。SHEINは互恵共存のグローバル産業チェーン構築を進め、越境ECの新たな発展モデルをリードしていく。(c)東方新報/AFPBB News