【10月14日 東方新報】2025年9月、国内自動車メーカーの納車データが相次いで発表された。市場は新エネルギー車とガソリン車の二極化が進みつつあり、新興勢力と伝統メーカーの動きに違いが見られる。零跑汽車(Leapmotor)は初めて月間6万台を突破して首位に立ち、華為技術(ファーウェイ、Huawei)のHarmonyOSスマートモビリティ、小鵬汽車(XPeng)、小米科技(シャオミ、Xiaomi)も月間4万台で激しく競り合った。一方、ガソリン車市場は回復傾向にあるものの、上位車種への集中が顕著で、月間1万台を超えた9モデルが市場全体の約2割を占めた。

業界関係者によると、ガソリン車は構造的に回復しているが、新興勢力に比べて変革や成長のスピードが遅れている。今後の市場拡大には、新興勢力は多ブランド戦略を加速し、伝統メーカーは「受注生産+直営+代理店」のハイブリッド販売モデルで在庫リスクを抑えることが求められる。

9月、零跑汽車は6万6657台を納車し、前年同月比97%増で新興勢力首位を再び獲得した。ミュンヘン国際モーターショーでは「Lafa5」が初公開され、「B10」の納車も正式に始まった。10月にはフルサイズSUV「D19」がワールドプレミアを迎える予定だ。HarmonyOSスマートモビリティは全モデルで5万2916台を納車し、そのうち問界(Aito)ブランド単体で4万619台を占めた。小鵬汽車も月間4万台を超え、前年同月比95%増で上位を維持。シャオミも4万台超を記録し、設立以来の最高納車を達成した。9月までの累計納車は25万台を超え、年間目標35万台の前倒し達成も視野に入る。

上海蔚来汽車(NIO)は3万4749台、理想汽車(Li Auto)は3万3951台を納車した。理想汽車は前年同月比では減少したものの、新型EV「i8」と「i6」の納車開始で前月比19%増となり、減少傾向に歯止めがかかった。長安汽車(Changan Automobile)や奇瑞汽車(Chery Automobile)など伝統メーカーの新エネルギー車も販売を大幅に伸ばしており、業界全体で新エネルギー車の存在感が高まっている。

新エネルギー車の普及が進む一方、ガソリン車も根強い需要を維持している。9月には9モデルが月間1万台を突破し、日産自動車(Nissan Motor)・セントラは1.69万台で首位、吉利汽車(Geely Automobile)・博越Lが1.46万台、フォルクスワーゲン(Volkswagen)・ラヴィダが1.4万台で続いた。一汽大衆汽車(FAW Volkswagen)は9月に14万6385台を販売し、ガソリン車のシェアが前年より0.3ポイント上昇。東風本田(Dongfeng Honda)は2万6265台を販売し、CR-V(ガソリン/ハイブリッド含む)は1万4355台で前年同月比1.5%増、前月比7.4%増となった。政府の廃車補助や買い替え政策も需要を支えている。

販売上位のセントラやは家族向けの需要を的確に捉えており、セントラは広い室内空間と優れた燃費(100キロあたり6〜7L)、CR-Vも2WD仕様で6.4〜6.8Lにとどまる。価格引き下げも進み、フォルクスワーゲン・ラヴィダの2025年モデルは旧モデルより2万元(約42万7632円)安い8万元(約171万528円)、メルセデス・ベンツE300Lは14.5万元(約310万円)の値引きが実施されている。

ガソリン車市場では上位モデルへの集中が進み、1万台を超える9モデルだけで全体の約2割を占める。販売ランキング40位以下のモデルは4000台未満にとどまり、中小ブランドの競争力は低下している。蘇商銀行の高政揚氏は「上位モデルの独占により、中小ブランドは技術開発やサプライチェーン面で太刀打ちできず、生存圧力が高まっている」と指摘する。また「電動化やスマート化の遅れが成長を制約しており、技術革新や差別化による競争力強化が不可欠だ」と述べる。

中国企業資本連盟の柏文喜(Bai Wenxi)副理事長は「新興メーカーも多方面での能力向上が必要であり、スマート運転やAI車載化、販売網の再構築を通じて、差別化された競争力を確立すべきだ」と語った。(c)東方新報/AFPBB News