日本の大学生が河南省を訪問、日中新たな接点を探る
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【9月20日 東方新報】2025年8月24日から28日にかけて、日本メディアの「東方新報(Toho Shinpo)」などが主催する「日本の大学生100人が中国を見る」活動の一環として、参加した約30名の日本人大学生が中国河南省(Henan)を訪問し、現地で交流を行った。学生たちは漢字の発祥地とされる地域で華夏文明の歴史的痕跡に触れ、自動車メーカーの比亜迪汽車(BYD)などを見学し、現地の大学生らと意見を交わした。これらの経験を通じて、日本と中国との新たな接点を見出したと伝えられている。
一行は「カンフーの都」として知られる鄭州市(Zhengzhou)では少林延魯武術学校を訪れ、中国拳法を体験した。また、「十三王朝の古都」洛陽市(Luoyang)では、白馬寺や龍門石窟などの歴史的文化遺跡を見学した。
活動を担当した東方新報の孫冉(Sun Ran)総編集長によれば、少林拳法は日本でも知名度が高く、渡航前から学生の関心を集めていた少林拳法の実演者による演武を観覧し、自身でも体験した学生たちからは、「動作の切れや力強さが実感できた」「映像で見るよりもはるかに迫力があった」などの感想が聞かれたという。
河南省の遺跡は、日本文化や書道に関心のある学生の興味を引いた。洛陽市の龍門石窟は世界文化遺産に登録されており、現存する彫像は10万体以上、碑文題記は2800点以上にのぼり、中国の石刻藝術を代表するものとされている。白馬寺は中国初の官立寺院であり、中国における仏教伝来の歴史を物語る。新潟大学(Niigata University)の学生高野雄太(Yuta Takano)さんは、龍門石窟で見学した際、可能な限り多くの碑文題記をスマートフォンで記録し、帰国後それらを学習・研究し、漢字の臨書を早く始めたいと語った。(c)東方新報/AFPBB News
また、学生たちは河南省の現代的な側面にも触れた。8月26日には、茶飲料チェーンの蜜雪冰城(Mixue)や、BYDが鄭州に設置した新エネルギー自動車に関する展示施設「迪空間」を見学した。これらのブランドは日本にも進出しているため学生には既知であったが、現地訪問により新たな認識を得たようだ。
日本大学(Nihon University)の倉浪虎太郎(Kotaro Kuranami)さんは、東京で蜜雪冰城の商品を飲んだ経験はあるが、本社を訪れ、その供給網の整備や理念を知り、認識が深まったと述べた。BYDの「迪空間」では、ロボットによる車体塗装技術などの展示が行われ、同社の自動化技術や環境問題への取り組みが紹介された。関西学院大学(Kwansei Gakuin University)の日野晴葵(Haruki Hino)さんは、現地メディアに対し、BYDの新エネルギー技術が環境改善に与える影響に関心を抱いたと語った。
本活動は在中国日本国大使館の後援により実施され、東方新報、河南省人民対外友好協会、鄭州市人民対外友好協会、洛陽市人民対外友好協会などが主催した。この活動は2024年春に始まり、これまでに四川省(Sichuan)、上海市、安徽省(Anhui)などを訪問している。目的は、日中の若年層相互の理解と友好を促進し、両国間の将来の関係を担う人材を育成することにあるとされている。(c)東方新報/AFPBB News