交通分野で大規模AIモデル推進へ 産業連盟が発足
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【9月5日 CNS】「交通大規模モデル革新・産業連盟」の設立と、交通分野における大規模AIモデル構築の始動会が8月16日、北京市で開かれた。
この連盟は交通運輸部の指導のもと、中国交通建設集団(中交集団)が主催。初期メンバーは55社・機関にのぼり、交通関連企業、AI企業、大学・研究機関などが参加する。陸・海・空・鉄道・郵便といった幅広い交通分野を網羅し、技術開発から実際の応用まで産業チェーン全体をカバーする体制だ。
国務院は7月末に「人工知能+」行動計画を承認しており、AIの大規模な商用化を推進し、技術革新と応用の好循環をつくる方針を示した。交通分野はデータの蓄積が豊富で市場規模も大きく、「人工知能+」の先行分野として期待されている。
交通運輸部の担当者は「交通大規模モデルの構築は、AIと交通を結びつける行動計画の中核となる。現在は応用が定着する重要な時期であり、連盟はその主力となる」と強調した。
構築の枠組みは「1+N+X」と呼ばれ、共通基盤となる1つの大規模モデルの上に複数の分野別モデルを展開し、さらに典型的な応用シーンに対応させる。これにより交通業界全体での業務効率化と知能化を進める狙いだ。
連盟の理事長を務める中交集団の宋海良(Song Hailing)董事長は「中核技術の突破、応用の実装、産業資源の共有、安全ガバナンスの確立に力を入れる」と述べたうえで、連盟の今後に向けて「技術革新の推進」「応用シーンの活性化」「オープンな産業エコシステムの構築」「リスク管理の強化」「ガバナンスの規範化」の5点を提言した。
今後、連盟は統一技術標準や応用規範の策定、データとモデル融合の研究開発、交通分野における高頻度の需要に応えるAIエージェントの開発、データ空間の活用実証などを進める。成果を製品やサービスに展開し、普及可能なモデルを構築することを目指す。(c)CNS/JCM/AFPBB News