国際法秩序の革新とグローバルガバナンスの強化・中国
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【9月6日 People’s Daily】中国・香港で5月30日、「国際調解院(International Organization for Mediation)設立条約」の調印式が開催され、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、欧州から85か国と約20の国際機関の高官が出席した。そして33か国が現地で条約に署名し、創設メンバーとなった。
「国際調解院」の設立は、国際法秩序における革新的な取り組みであり、グローバルサウス諸国が連携してグローバルガバナンスの改革と改善を推進する重要な行動として、国際関係史上重要な意義を持つものだ。またこれは、中国が「東方の知恵」をもって世界の発展と進歩に公共財を提供する責任を果たす姿勢を鮮明に示すものでもある。
「国際調解院」は国連憲章の目的と原則を実践し、グローバルガバナンスの強化に法的な公共財を提供する。「調停」は国連憲章第33条で定められた国際紛争解決の優先手段の一つだが、これまでは政府間の法的枠組みが存在しなかった。同協会はこの空白を埋めるもので、当事者の自主的な合意に基づき、国家間の紛争、国家と他国の投資家間の紛争、国際商事紛争を調停する国際法発展の重要な一歩となるものだ。
主要な法体系の長所を集約し、当事者の意思を尊重しながら、柔軟性・経済性・迅速性・効率性に優れるという特長を活かし、訴訟や仲裁など既存の紛争解決メカニズムと相互補完的に機能できる。
世界が新たな動乱と変革の時代に入り、紛争の迅速な解決と安定的な協力関係の維持への需要が高まっている。「国際調解院」の設立構想が各国から広範な支持を得られたのは、中国が近年の国際紛争で果たした積極的な役割と密接に関係している。
サウジアラビアとイランの北京での和解の仲介、パレスチナ各派の対話促進と「北京宣言」署名、ウクライナ危機、パレスチナ・イスラエル紛争、朝鮮半島、ミャンマーなどの諸問題における建設的な関与を通じて、中国は常に「相互理解」「対話による合意形成」「協調と共生」の理念を提唱し、紛争解決に「中国の知恵」を提供してきた。
対話による紛争解決、協議による紛争の調停は、世界の主要文明の共有の価値観であり、普遍的に追求しているものだ。「和合」は中華文明に連綿と続く思想である。中華の法思想「天下無訟、以和為貴(天下に争い無く、和をもって貴しと為す)」は、現代の国際法が提唱する平和的紛争解決とまさに一致している。
「国際調解院」は強制的な裁定はせず、中立のプラットフォームを提供し、自発的な参加と平等な意思決定を尊重し、当事者双方の合理的で切実な関心事を尊重し、共同利益の追求を堅持している。
長い目で見て、この協会の誕生は、「和合共生」の文明の知恵を体現し、「ゼロサム思考」を乗り越えて、国際紛争を友好的に解決し、調和的な国際関係の構築を促進するための貴重な助けになるものである。
「国際調解院」はグローバルサウス諸国が貢献する国際公共財であり、国際的な公平と正義の推進に寄与するものだ。世界の多極化と国際関係の民主化の潮流が勢いを増す中、グローバルサウスはかつての国際政治の舞台における「沈黙の多数」から、国際平和の維持、世界発展推進、グローバルガバナンス改革の鍵となる存在へと変貌した。
グローバルサウス諸国は「国際調解院」の設立に積極的に参加し、それが「国連憲章」の主旨と原則に合致し、相互尊重、相互信頼、公正と調和を体現する「多国間主義」の強化につながることだと普遍的に認識している。
今後「国際調解院」は、真の法治精神を重視し、調停プロセスとその結果の正義とを両立させ、発展途上国の参加を拡大し、国際紛争解決のメカニズムを公平で包摂的な方向へと発展させ、グローバルガバナンスにおける代表性と発言権の向上を目指す。
「善隣友好と協力による国際平和の維持」という国連憲章の理念は、国際社会の共通ビジョンを表すものだ。未来を見据え、当事者各自が調停の方法を適切に活用し、相互理解の精神で矛盾を解決すれば、敵対を和解に変え、壁を道に変え、「人類運命共同体」の構築という正しい道を歩んでいくことができるだろう。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews