【8月6日 People’s Daily】「離境退税」とは、中国国内の登録店舗(税還付手続きが可能な登録店舗)で商品を購入した外国人旅行者に対して、出国時にその商品に課せられていた増値税(付加価値税)を払い戻す制度のことだ。(商品に対してはじめから増値税が課せられていない「免税店」とは処遇が異なる、いわゆる国内商店を対象とした制度)

先日、中国政府は「出国時の税還付政策のさらなる最適化と入国消費の拡大に関する通知」を発表し、税還付手続き可能店舗数の拡大、売り場の拡張と対象商品の品揃えの充実、出国時税還付サービスの向上など3つの分野で、合計8つの政策措置を提示した。

出国時の税還付は国際的には一般的な措置であり、現在、欧州連合(EU)、日本、シンガポール、オーストラリアなど50を超える国と地域で実施されている。昨年、中国に入国した旅客の総支出は942億米ドル(約13兆9030億円)に達し、前年比77.8%の増加となった。出国時の税還付政策のさらなる最適化は、海外旅客の中国でのショッピングの利便性を向上させ、観光と消費の満足度を高めることに役立つ。

店舗数が拡大すれば、海外からの観光客は、より多くの好ましい店舗で有利に買い物ができるようになる。しかし現在、中国の税還付可能な市場は、依然として初期の育成段階だといわざるを得ない。税還付手続きが可能な店舗が不足しており、しかも北京や上海などの大都市に集中している。海外観光客が集中する人気都市の一部では、まだ対応可能な店舗が十分ではないのだ。

「通知」では、免税店配置の最適化を推進し、各地域で大型商業施設、観光地、空港、ホテルなど海外観光客が集まる場所に税還付対応店舗の新設を奨励するとしている。

条件を満たす地域では「出国時税還付特色市街区」の整備を支援する。税還付対応店舗の登録条件を緩和し、開業1年未満の新規店舗なども登録申請を可能にする。税還付対応店舗の登録機関を省クラスの税務部門から各地の主管税務機関に変更し、登録手続きを5営業日以内に短縮するなど、様々な施策が盛り込まれている。

対象商品を増やし、海外観光客がより多くの優良な商品を購入できるようにすることも施策の一つだ。現在、海外観光客の「(出国時税還付を含む)免税ショッピング」は、国際的な有名ブランドが中心となっているが、この通知では、出国時税還付の最低購入金額を、従来の500元(約1万290円)から200元(約4116円)に引き下げ、税還付可能なショッピングのハードルを下げ、客単価の低い特産品店や記念品店など、より多くの店舗が参入できるようにして、国産品の販売を促進するとしている。

また、税還付対応店舗に対し、海外観光客のニーズに応じた商品のラインナップを充実させ、最適化を進めるように指導するという。

「通知」では、税還付サービスの改善により、海外旅行者の手続きをさらに便利にすることも強調している。税還付手続きのフローを改善し、出国時税還付の管理システムを充実させ、店舗の領収書発行効率を向上させ、旅行者の待ち時間を短縮するとしている。

「購入後即時返金」サービスは全国に拡大し、旅行者が購入現場で返金を受け取れるようにするとしている。

また、条件を満たす地域では、免税品に封緘(ふうかん)とバーコードを付与し、税関の開封検査を省略する措置を講じる。

「通知」には、代理サービス機関の最適化も盛り込まれている。代理機関と出国口岸(出国税関検査場)の隔離区域内の通貨交換所、海外旅行者サービスセンターなどとの連携による還付手続きの共同実施を支援し、区域を跨いだ運営や機関同士の協力を促進し、税還付店舗との連携を強化するとしている。

さらに、還付支払いサービスを改善し、現金還付の限度額を1万元(約20万5800円)から2万元(約41万1600円)に引き上げ、関連のサービス機関に対しモバイル決済、クレジットカード、現金など多様な支払い方法の提供を奨励し、海外旅行者の多様なニーズに対応するとしている。

現在、中国はほとんどの商品に対して税込み価格の11%を還付しており、これは増値税の全額還付に相当する。還付率が大きいだけでなく、政策執行の利便性も兼ね備えた措置となっている。還付対象商品は、ごく一部の輸出禁止や制限品を除き、他の全ての商品は出国時還付制度の対象となり、海外旅客に対して幅広い商品選択の余地を提供している。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews