【8月27日 東方新報】世界的にディスプレイ技術の進化が加速する中、RGB-Mini LEDがグローバル市場で注目の的となっている。最近、ディスプレイ大手のサムスン電子(Samsung Electronics)は、2025年にドイツで開催される大型家電展示会「国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA)」で自社初のRGB技術採用テレビ(115インチRGB Micro LED)を発表し、年内の販売を予定している。またソニー(SONY)も同時期にRGB-Mini LEDディスプレイシステムを展示し、特にプロ仕様における色再現性や映像の深みを強調する方針だ。

こうした動きは、RGB-Mini LED技術の有用性を示すと同時に、この分野で中国企業が果たしている重要な役割が、もはや見過ごせないものであることを明らかにしている。

RGB-Mini LED技術は、ディスプレイの進化を象徴する次世代技術だ。この方式では、赤・緑・青の3色の光源を独立して制御し、従来の明暗やエリア単位の制御に加え、色合いの次元でも精密な調整が可能となる。これにより、「明るさ制御」から「明るさと色の同時制御」への大きな進歩を遂げた。

その結果、色域カバー率はBT.2020規格で97%に達し、色の純度・色域の広さ・色彩の立体感・色精度のすべてでQD-OLEDや従来のMini LEDを凌駕する。より鮮やかな赤、正確な緑、透明感のある青を実現するだけでなく、高輝度・広視野角・低消費電力といった要素も備え、究極の画質を求める市場ニーズに応える技術となっている。

中国の海信集団(Hisense Group、ハイセンス)は、RGB-Mini LEDの産業化において中心的な役割を果たしている。同社は世界で初めてRGB-Mini LEDテレビの量産に成功し、自社開発したRGB光・色同時制御AIチップ「信芯H7」およびアルゴリズムにより、3×26ビットの色制御と15,680ポイントにわたる高精度な色管理を実現。色相・彩度・明度の制御精度は従来の汎用チップと比べて飛躍的に向上し、RGB三原色の協調制御という世界的な難題を技術的に克服した。

また、基盤となるRGB三原色の高性能LEDチップ材料の開発にも成功し、発光効率・寿命・色ズレ・純度といった問題をクリア。これにより、チップ設計・制御技術・材料技術を網羅した完全な技術エコシステムを構築し、中国は新世代ディスプレイ分野で初めて「フルスタック技術の自主独立」を実現した。

業界では、サムスンやソニーといった国際的プレイヤーの参入により、RGB-Mini LED技術の進歩とコストダウンが進むと期待されている。これにより、中国企業と世界の技術・供給網との連携がさらに深化する契機にもなっている。今後は、中国主導のイノベーションを中心に据えた国際競争と協力という新たな産業構造が形成され、グローバルディスプレイ市場に新たな活力と高付加価値をもたらすだろう。

RGB-Mini LEDの急速な成長は、中国の独自技術と産業力の近代化を象徴している。中国企業は自らの革新力で国内市場をけん引するだけでなく、世界のディスプレイ技術の進化と国際的な産業連携にも大きく貢献している。

今後、RGB-Mini LEDのさらなる技術革新と応用拡大が進む中で、中国はこの未来のディスプレイ技術を決定づける重要分野でのリーダーシップをさらに強化し、世界の映像産業に中国発の新たな原動力を注ぎ込むことになるだろう。(c)東方新報/AFPBB News