上海ディズニー偽ルームキー詐欺摘発
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【8月21日 東方新報】上海ディズニーリゾート(Shanghai Disney Resort)にある「ディズニーホテル」や「トイ・ストーリーホテル」の宿泊者は、ルームキーを提示することで、一般客よりも早くディズニーランドに入園できる特典を受けられる。この正規のサービスを悪用し、ホテルのルームキーを不正に買い集め、さらには偽造までも行って「早朝入園カード」と称し、知らない観光客に販売していた詐欺グループ2組を、上海浦東警察がこのほど摘発した。
2025年3月、上海市公安局浦東分局・国際観光リゾート地区の警察は、ディズニータウン付近で何人かの不審者が、観光客からホテルのルームキーを買い取っているのを発見した。ちょうどその頃、パーク運営側からも「ルームキーを使って早朝入園する客が急増しており、実際の宿泊者数を大幅に上回っている」と報告が入っていた。
警察はパーク側と情報を共有した結果、一部のカードが偽物であることが判明。粗雑な作りや本物より薄いカードが確認され、「ホテルのルームキーを悪用した詐欺」が行われている疑いが強まった。
警察は特別捜査チームを立ち上げ、長期にわたって追跡調査を行った結果、数名を中心とした2つの詐欺グループを特定。2025年7月7日夜に一斉摘発を実施し、容疑者33人を逮捕した。現場では、偽造カードを作るためのプリンター1台、宿泊者情報を捏造するためのパソコン1台、未使用のルームキー約500枚が押収された。
逮捕された主犯格らは、ホテル宿泊者が持つ「1時間早く入園できる」特典に着目し、実際にその特典を使わない宿泊者から1枚80〜100元(約1635~2044円)でルームキーを買い取り、それを「早享カード(早朝特典カード)」と偽ってSNSなどで宣伝し、1枚120〜150元(約2453~3067円)で販売していたと供述している。
この「商売」が軌道に乗ると、需要に対して本物のカードの在庫が足りなくなったため、偽造カードを自作し、さらに多くの観光客に販売するという手口に切り替えた。
浦東警察によると、これまでに確認された被害総額は30万元(約613万4070円)を超えるという。現在、容疑者にはすでに刑事強制措置が取られており、事件はさらに詳しく捜査が進められている。(c)東方新報/AFPBB News