【7月31日 People’s Daily】中国初の人工衛星「東方紅1号(Dongfanghong-1)」が1970年4月24日、酒泉衛星発射センター(Jiuquan Satellite Launch Center)から打ち上げられた時から中国人の宇宙探査の偉大な旅が始まった。

それから55年後の同じ日に「神舟20号(Shenzhou-20)」有人宇宙船が「長征2号F遥20(Long March 2F)」キャリアロケットに搭載され、宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」へと飛び立った。「天宮」と無事ドッキングの後「神舟20号」の乗組員は、ステーションに滞在していた「神舟19号(Shenzhou-19)」の宇宙飛行士たちと「宇宙での再会」を果たした。 

今回のミッションは、宇宙ステーションの応用と発展段階における5回目の有人飛行任務であり、有人宇宙飛行計画の35回目の飛行任務でもある。ミッションの主な目的は、「神舟19号」の乗組員と軌道上で交代し、宇宙ステーションにおいて約6か月間滞在しながら、宇宙科学および応用実験を行うことだ。また、宇宙飛行士による船外活動や貨物の搬出入、スペースデブリ防護装置の取り付け、船外搭載装置および設備の設置・回収なども実施する。さらに、科学普及・教育活動や公益的な広報イベント、宇宙空間を活用した搭載実験(研究機関などから委託された宇宙環境を利用した共同実験)を展開し、宇宙ステーションの総合的な応用効果を継続的に発揮していくことも任務に入っている。

中国の宇宙ステーションの運用の常態化に対応するため、「神舟20号」有人宇宙船では軌道モジュールのレイアウトを大幅に最適化した。精密な機器配置と貨物パッケージ固定方式の革新により、構造的な安全性を確保しつつ、打ち上げ時の有効貨物搭載容積を20%拡大し、船内スペースの利用効率を高めている。

中国は現在まで、すでに20回の船外活動を実施している。中国有人宇宙飛行計画の林西強(Lin Xiqiang)報道官は「中国の船外活動技術は日々成熟し、活動能力と技術レベルはすでに世界の先進水準に達している」と話す。

中国の1回の宇宙遊泳活動の時間は最長9時間に達し、世界記録を樹立した。

中国の宇宙ステーションで使われている「飛天(Feitian)」船外活動用宇宙服は「神舟12号(Shenzhou-12)」ミッション以降、19回の宇宙遊泳活動で問題なくその機能を果たし、1着の宇宙服の最高使用回数は17回に達し、「3年間、15回まで」という設計目標値をクリアした上、現在も依然良好で安定した性能が保たれている。

機械アームは、独自の「双アーム連結設計」と「クローリング機構(這行設計)」により、宇宙飛行士がステーション外部全域で作業を行えるようにした。

地上と宇宙の連携支援体制も一層強化され、船外活動の計画立案、作業進行管理、システム間連携、緊急時の対応において、高度な専門的支援を提供している。

中国の宇宙飛行士の船外活動は、技術検証や単純な操作から複雑な作業任務遂行へと進歩を遂げ、今後ステーションの長期運用においてさらに重要な役割を果たすことができるようになった。

林氏の話によると、今回のミッションでは「ゼブラフィッシュ」「ウズムシ」「ストレプトマイシン」を研究対象として、3つの生命科学実験を実施する計画だ。この3種の生物実験に加え、空間生命科学、微小重力物理科学、宇宙空間新技術などの分野で、59項目の宇宙科学実験と技術試験が継続的に実施される予定だ。血管構造を持つ脳オルガノイドのチップ上での培養、軟物質(ゲルや液晶など)の非平衡動力学、高温超伝導材料の宇宙空間での作製研究などの分野において、重要なブレークスルーが期待されているという。

現在、中国の宇宙科学実験は計画通りに進められ、それぞれの作業も順調に進行している。現在までに軌道上で200件を超える科学と応用プロジェクトが実施され、合計約2トンの実験用資材が宇宙ステーションに運ばれた。

今年2月末、中国とパキスタンは宇宙飛行に関する協力協定を締結し、現在、パキスタンの宇宙飛行士の選抜作業が進められている。

これと並行して、中国は関係国と、その宇宙飛行士が中国の宇宙ステーションでの飛行ミッションに参加することについて協議を進めている。

林氏の話によれば、現在、中国の有人月面着陸ミッションのそれぞれの研究開発作業は全体的に順調に進展しているという。「長征10号(CZ-10)」キャリアロケット、「夢舟(Mengzhou)」有人宇宙船、「攬月(Lanyue)」月面着陸機、「望宇(Wangyu)」月面宇宙服、「探索(Tansuo)」有人月面探査車など、いずれも計画通り初期試作試験が実施されている。また、月面リモートセンシング衛星はすでに計画立案と競争選定を完了し、発射場、「測定・制御・通信」、着陸場などの地上システムの研究開発と建設も、計画通り着実に進められているという。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews