【8月14日 東方新報】浙江省(Zhejiang)農業農村庁は17日、杭州市(Hangzhou)で記者会見を開き、同省が最近発表した「茶産業の高品質な発展を加速するための実施意見」について説明した。この会見で記者が得た情報によると、2025年1月から5月にかけて、浙江省の茶葉輸出額および輸出量はいずれも前年同期比で20%以上増加した。

浙江省は中国でも有数の茶葉輸出県であり、主な輸出品は珠茶や眉茶などの緑茶である。2024年には、輸出量が15.6万トン、輸出額が4.7億ドル(約698億5140万円)に達し、長年にわたり全国の上位を維持してきた。

2025年1月から5月にかけて、浙江省の茶葉輸出額・輸出量が前年同期比で20%以上増加しただけでなく、輸出製品の多様化も進んでいる。具体的には、珠茶や眉茶に加えて、抹茶、名品高級茶、新しいスタイルの茶飲料といった製品も輸出が好調だ。

記者会見では、「茶産業の高品質な発展を加速するための実施意見」の発表を受け、「世界の茶のふるさとは浙江」とのブランド価値をさらに高める方針のもと、今後は伝統的な茶葉輸出の基盤を固めながら、名品茶や新しい茶飲料といった製品の輸出拡大にも注力していくことが示された。

浙江省農業農村庁の党委員会メンバーで副庁長の陳良偉(Chen Liangwei)氏は、従来の強みを維持しつつ輸出茶の品質を高めるため、「浙江珠茶」や「浙江眉茶」の業界標準の策定を急ぎ、栽培から加工に至るまでの一貫した基準体系を整備し、国際認証との相互承認を進めると述べた。また、市場監督当局と連携して品質管理を強化し、市場の健全化を図るとしている。さらに、研究機関が国際標準化機構(ISO)や米食品医薬品局(FDA)などの国際基準の策定・改訂に積極的に参加することを支援し、国際水準の品質管理体制を構築していく考えだ。

また、浙江省は輸出ブランドの構築にも力を入れており、名品緑茶の「海外進出」を後押ししている。省内では、名品緑茶の海外プロモーションを加速させ、茶葉輸出企業が国際農産品展示会に出展することを支援する。浙江商人の海外ネットワークを活用し、現地での茶文化の紹介や交流を通じて、名品緑茶の国際市場における新たな消費層を開拓する。重点企業による海外拠点の開設を奨励し、新興市場で浙江茶のプロモーション活動を継続的に展開する。さらに、杭州や寧波にある国家級の越境EC総合試験区を活用し、茶葉の越境EC事業の拡大も図っていく。

多様な製品の開発や高付加価値商品の輸出促進に向けて、陳良偉氏は「産学官の連携を深め、国際市場のニーズに応える利便性の高い茶製品の開発を支援する。さらに、茶を使った食品や日用品といった新しい分野にも取り組み、新しい茶飲料の海外展開を後押しすることで、伝統的な茶葉、新しい茶飲料、機能性派生商品の連携発展による製品体系を築き、輸出産業の高付加価値化を進める」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News