【三里河中国経済観察】5月の消費加速が過去最高を更新 中国経済の底力を映す
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【7月10日 CNS】中国経済の主要な原動力が加速し始めている。
2025年5月の経済統計を振り返ると、三大需要項目の中で消費が最も力強い動きを見せた。成長率は2024年以降で最高となっている。
国家統計局が6月16日に発表したところによると、5月の社会消費品小売総額は4兆1326億元(約84兆917億円)で、前年同月比6.4%の増加となった。前月からは1.3ポイントの伸び幅である。
この1.3ポイントの上昇は、市場の予想を上回り、消費市場における活力の急速な放出を如実に示している。
中国経済の安定成長において、消費は主要な推進力であり、その回復と加速は極めて重要な意味を持つ。
では、この消費の加速を支えたのは何だったのか。
粤開証券のチーフエコノミスト、羅志恒(Luo Zhiheng)氏は、中国新聞社(CNS)の取材に対して「消費品の買い替え政策の継続的な効果と、大手プラットフォームによる販促が住民の購買意欲を大きく刺激した」と語った。
とくに買い替え支援政策の効果は大きく、対象となる家電製品や音響・映像機器、通信機器、文具・事務用品、家具といった品目の売上はそれぞれ前年比53.0%、33.0%、30.5%、25.6%と大幅に伸びた。
これらの品目が全体の小売総額を1.9ポイント押し上げ、前月に比べて0.5ポイントの上乗せとなった。
消費の回復は、関連するサービス業にも恩恵をもたらした。5月の卸売・小売業と宿泊・飲食業の生産指数はそれぞれ前月比で1.6ポイント、0.9ポイント上昇した。消費に引きずられる形で、経済の循環が加速している。
また、6月18日のオンラインショッピングセールに先駆けた販促活動と、消費品買い替え政策の効果が重なったことで、ネット通販の販売も加速。1〜5月の物品系EC売上は前年比6.3%増で、1〜4月に比べて0.5ポイントの加速だった。
さらに、「労働節(メーデー)」連休の旅行消費も寄与した。国内旅行者数は前年比6.4%増の3億1400万人に達し、観光による消費額は8.0%増の1802.69億元となった。
中国民生銀行(CMBC)チーフエコノミストの温彬(Wen Bin)氏は、中国の経済動向を大きく3つに分類できると指摘する。一つは関税摩擦の中にある輸出、二つ目は政策による投資・消費の刺激、三つ目は経済の内発的成長力である。そして、5月において最大の注目点は、政策によって支えられた消費の加速だという。
温氏によれば、政策の後押しにより、消費者の購買力と購買意欲が回復傾向にあり、今後も販促政策の効果が継続する中で「6・18」のセールイベントなどが重なり、6月の個人消費はさらに拡大する可能性が高いと見ている。
一方で、消費以外でも注目すべきは輸出である。関税摩擦の圧力が続く中でも、輸出は想定以上の粘り強さを見せた。心配されたような壊滅的な影響は出ていない。
5月の貿易統計では、輸出入総額が2.7%増、輸出が6.3%増となり、国際競争力の高さと経済の耐久性が裏付けられた形だ。
さらなる注目点は「期待の改善」である。5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比0.5ポイントの上昇で、生産指数は再び拡張領域に入った。サービス業の業況指数も50.2%で、3か月連続で好況を維持している。
国家統計局は、「政策手段の引き出しは十分にあり、マクロ政策には余地が残されており、状況に応じた柔軟な対応が可能だ」とコメントしており、市場の安心感を支えると同時に、中国経済の持続的な成長に対する自信を示した。
消費の加速、輸出の粘り強さ、新たな成長原動力の拡大。政策の着実な実行とともに、経済データが改善を続けることで、中国経済の高品質な発展の土台は着実に固められつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News