【7月4日 東方新報】「新商品、初出店、初披露、初展示」をテーマにした「2025初発経済発展大会」(以下「初発大会」)が6月25日から26日、江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)で開催された。今回で4回目となる初発大会は、南京が国際的な消費中心都市としての活力を示すと同時に、「初発経済」が消費から産業へと進展する力強さを示している。

 南京白局(南京市で発展した伝統芸能)とファッションショーによる『唱遊金陵図』の上演、創作キャラクターによるポップな展示、ロボットの新技術紹介、江蘇郵政による「蘇超(江蘇省内の都市サッカーチームによるスーパーリーグ)」テーマの文化商品など、会場では流行と伝統、テクノロジーと文化、スポーツと観光が融合し、数多くの新しいシーンが生まれていた。

 江蘇省商務庁の呉海雲(Wu Haiyun)副庁長は、「南京は今や、国内外ブランドにとって初出店地として最優先の都市となっている」と述べ、次のようなデータを示した。近年、南京は初出店を1200店舗以上誘致しており、その内訳は世界初出店4店舗、アジア初出店4店舗、中国初出店62店舗を含む。また、200以上の海外有名ブランドが南京に進出しており、世界の一流ブランドの95%以上が集まっている。出店数とブランドの質の双方での成長が、「初出店経済」の急成長を裏付けている。

 中商データ(DataQuest China)が発表した「2025南京初発経済インサイト」によると、「政策の正確性」「文化的融合力」「産業の革新性」という3つの指標で優れたスコアを記録した南京は、上海市・北京市・成都市(Chengdu)に次ぐ、中国国内における「初発経済」の主要都市にランクインしている。南京の成長の原動力は、テクノロジーの強固な基盤と文化的なソフトパワーの両方にあるとされる。

 中商データの共同創業者である周長青(Zhou Changqing)氏は、「南京はテクノロジーと初発経済の連携を継続的に推進しており、デジタル技術、スマートデバイス、グリーンテクノロジーなどの分野で新たな製品・サービス・業態が南京で先行展開されている。ロボット産業の革新や、新エネルギー車の生産加速など、産業の革新が初発経済の基盤を固めている」と分析する。同時に、南京は歴史ある文化都市でもあり、その文化的なソフトパワーも注目に値する。ファッションブランドと伝統工芸「絨花雲錦」の融合、オリジナルミュージカルや舞踊公演、没入型の演出などが国際舞台に登場しており、「蘇超」リーグによって「スポーツ+消費」も活性化されている。商業・文化・観光・スポーツの融合が、南京の初発経済をさらに多様化させている。

 新たな消費トレンドに対応し、南京市は体系的な政策で初発経済の発展を推進している。南京市商務局の関係者によると、市はすでに「初発経済促進に関する若干措置」を発表しており、最大200万元(約4031万4600円)の初出店補助、最大150万元(約3023万5950円)の初披露・初展示補助など、資金面での支援が含まれている。さらに、南京市の新街口などに「初発経済集積エリア」を形成し、業界団体と連携して「新消費ブランド育成拠点」も設置している。制度面では、製品通関のための「グリーンチャンネル」や、個別対応による「一点一策」などの支援策があり、知的財産権の司法保護も強化している。

 中国連鎖経営協会の王洪涛(Wang Hongtao)副会長は、「南京の初発経済は、初出店の集積から、バリューチェーン全体の価値創出へと進化している。南京は国際ブランドの展示舞台であると同時に、地元ブランドの育成拠点でもある。消費の入り口でありながら、産業アップグレードの原動力にもなっている」と語った。(c)東方新報/AFPBB News