【6月23日 東方新報】中国国家統計局の報道官であり国民経済総合統計司の司長を務める付凌暉(Fu Linghui)氏は16日、国務院新聞弁公室が開催した記者会見で、「5月における不動産市場はおおむね安定しており、商品住宅(分譲住宅)の在庫は引き続き減少している」と述べた。

 市場取引の動向を見ると、各種の不動産安定化政策が奏功し、今年に入ってから不動産販売はおおむね堅調に推移している。1月から5月の新築商品住宅の販売面積と販売額は、それぞれ前年同期比で2.9%減、3.8%減となり、1~4月の水準とほぼ同じだった。一部の一線都市や二線都市では取引が比較的活発で、商品住宅の販売面積・販売額ともに増加を維持している。

 商品住宅の在庫状況については、5月末時点での待販売面積は4月末より715万平方メートル減少し、これで3か月連続の減少となった。また、5月には全国70の中大型都市における住宅価格の前年比下落幅も引き続き縮小した。

 付凌暉氏は「今年に入ってから、各種不動産安定化政策が加速的に実施され、不動産市場は引き続き底打ちから回復への道を歩み始めている。5月も全体としては安定的に推移した」と評価した。

 ただし、「現在もなお調整段階にあり、市場の信頼回復は道半ばで、供給と需要のバランス改善も必要だ。引き続き努力が求められる」との認識も示した。

 今後の展望について付氏は、「不動産市場における供給と需要の関係に大きな変化が起きている現実に積極的に適応し、都市再開発や老朽住宅の改修を持続的に推進し、『良質な住宅』の供給を拡充すべきだ」と語った。その上で、「実需や住み替えニーズのさらなる顕在化を促進し、新たな不動産開発モデルの構築によって、市場の安定的かつ健全な発展を図るべきだ」と述べた。

 5月に公式発表されたデータによると、商業銀行によって審査・承認されたいわゆる「ホワイトリスト」に基づく融資額はすでに6.7兆元(約135兆1758億円)に達している。中国の信用格付け機関「東方金誠国際信用評価(Golden Credit Rating International)」の王青(Wang Qing)チーフ・マクロ経済アナリストは、「これは昨年末と比べて約1.7兆元(約34兆2983億円)の大幅増加となっており、住宅関連企業の融資環境は全体として改善傾向にある」と分析している。

 王青氏はまた、「資金調達環境が改善され、昨年同期の不動産投資のベースがすでに低かったことも加味すれば、今年後半には不動産投資の前年同期比の減少幅が縮小していく可能性がある」との見通しを示した。(c)東方新報/AFPBB News