雲南省昌寧:保護区内に希少野生動物が続々と姿を現す
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【6月11日 東方新報】今年に入り、雲南省(Yunnan)保山市(Baoshan)昌寧県(Changning)にある「昌寧瀾滄江県級自然保護区」で設置された赤外線カメラが、国家一級重点保護動物である「ビルマカラヤマドリ」や、国家二級重点保護動物である「ハッカン」「ベンガルヤマネコ」「ツキノワグマ」「チャガシラミヤマテッケイ」といった野生動物たちの活動を何度も記録した。これにより、当地の豊かな生物多様性と健全な生態環境が生き生きと示された。
昌寧瀾滄江自然保護区内の阿干山峠では、赤外線カメラが目を見張る光景を捉えた。美しい羽毛をまとった成鳥のビルマカラヤマドリが、長く特徴的な尾をたなびかせ、頭を高く上げながら崖下の急斜面を力強く登っていた。一方、利東山エリアでも、赤外線カメラは悠然と餌を探す雄のビルマカラヤマドリの姿を捉えている。
ビルマカラヤマドリは中国国家一級重点保護動物で、個体数は極めて少ない。中国国内では雲南省・貴州省(Guizhou)南西部・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南西部に限られ、国外ではインド、ミャンマー、タイに生息している。
特筆すべきは、昌寧瀾滄江自然保護区で初めてこの種の撮影に成功したのは2021年で、それ以降は毎年、成鳥・若鳥を問わず複数の個体が確認されている点だ。これは同地に安定したビルマカラヤマドリの群れが存在することを示している。専門家によれば、現在この保護区内には約20の群れが確認され、合計300羽を超えると推定されている。
昌寧県江辺国有林場の副場長・魯健城(Lu Jiancheng)氏は「ビルマカラヤマドリの繁殖期は3月から7月で、卵を温めるのは雌の役割。今回撮影されたのはオスのみであったため、おそらくメス鳥は現在、巣で抱卵中と思われる」と述べている。
また、赤外線カメラは国家二級重点保護動物である「ハッカン」の群れによる採餌行動も多数記録している。利東山エリアの谷間では、オス2羽・メス6羽の計8羽が一緒に食べ物を探している様子が捉えられた。阿干山でも複数のハッカンが一度に現れ、同様の行動を見せている。
魯健城氏によれば「ここ最近だけでも2時間以上、400以上の映像データを収集できた。活動頻度と個体数ともに昨年より大幅に増えており、保護の成果が目に見える形で現れている」という。
さらに注目すべきは、ハッカンの羽ばたきによる求愛、激しい喧嘩、水を飲む姿や羽繕いといった行動まで、カメラが鮮明に記録している点だ。ハッカンは群れで生活し、強いオス1羽と複数のメスによって構成され、群れ内には明確な序列が存在する。
「これらの貴重な映像は、ハッカンの生活習性や行動の研究に大きく貢献するものであり、保護方針や施策の改善に役立つ。今後より良い生息環境を整備する手助けになる」と魯氏は語っている。
このほかにも、赤外線カメラは「ベンガルヤマネコ」「ツキノワグマ」「チャガシラミヤマテッケイ」などの活動も捉えており、地域における多様な野生動物の存在が改めて明らかとなった。(c)東方新報/AFPBB News