【6月9日 東方新報】中国・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の賀州市(Hezhou)によると、広州市農業農村局がこのほど発表した「粤港澳大湾区向け野菜供給基地(第14弾)」のリストに、賀州市の29か所が新たに加わった。これにより賀州市で認定された供給基地の累計は101か所となり、広西チワン自治区内で最も多い数を維持している。

 賀州市は粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)に隣接しており、「世界の長寿都市」として知られるほか、中国初の「全域長寿都市」にも指定されている。かつてから「百年野菜の里」とも呼ばれ、野菜の名産地として知られてきた。現在、賀州市は広西チワン自治区で唯一、香港向けに野菜を直接出荷・販売している都市であり、広西チワン自治区初となる大湾区向け野菜の品質検査機関も設置されている。この検査機関の検査結果は香港やマカオでも有効とされており、賀州産の野菜は香港への輸送時間が4時間以内と短く、高い品質を保ったまま届けられている。

 近年、賀州市はその地の利を活かして、広東・香港・マカオ向けの需要に応じた農業政策を展開している。市内では、企業が野菜供給基地の認定を受けるよう後押しし、深セン市(Shenzhen)が設けた「圳品(せんぴん)」という農産物ブランドの基地認定や、香港向けの野菜出荷基地の登録などを積極的に進めてきた。あわせて、賀州市では「大湾区向け野菜の集積・物流拠点」の整備を進め、香港・マカオ向けに野菜をスムーズに出荷する体制を整えている。

 こうした取り組みによって、賀州市は粤港澳大湾区向けの「野菜供給地」としてのブランド力を高め、高品質な国産農産物の代表格としてその存在感を強めている。(c)東方新報/AFPBB News