【4月25日 Peopleʼs Daily】「私たちが今生きている世界では、エネルギーに関する物語のほとんど全てが、本質的には中国の物語である」、国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル(Fatih Birol)事務局長は、世界的なグリーンエネルギー開発における中国のリーダーシップについてこう評価した。

 中国が継続的に行っている「グリーンな国際協力」は、人と自然が共生できる現代化を世界に広めるための取り組みであり、その理念に現実的な裏付けを与えている。

 オマーンの砂漠に広がる「太陽光発電の海」から、ブラジルの熱帯雨林を貫く超高圧送電線まで、カザフスタンのシェレク(Shelek)で羽を回している風力タービンから南アフリカの「レッドストーン太陽熱発電所プロジェクト」まで、アフリカの気候リモートセンシング衛星や小島嶼開発途上国(SIDS)の省エネランプから東南アジアの低炭素実証地区まで、中国は100以上の国や地域とグリーンエネルギープロジェクトで国際協力し、グリーンエネルギーを「贅沢品」から「日常必需品」へと変えてきた。これらの協力プロジェクトは、世界的な生態文明の構築に役立つだけでなく、世界各国に開発の機会ももたらしている。

 今日の世界において、環境保護への「グリーン転換」は各国にとって避けて通れない問題であり、変革のためには技術的な力が不可欠だ。中国の「グリーンイノベーション」の成果は、「クリーンエネルギー技術」の急速な普及を促し、各国のCO2排出削減に掛かるコストを大幅に引き下げた。これは一種の「技術による恩恵」だと言えよう。

「国際再生可能エネルギー機関(IRENA)」が昨年発表した報告書によると、過去10年間で、世界の風力発電および太陽光発電プロジェクトの「均等化発電原価(LCOE)」はそれぞれ60%以上、80%以上も低下した。その大きな要因は「中国式イノベーション」「中国製造」「中国エンジニアリング」によるものだ。

 昨年の中国の風力タービンの輸出は70%以上増加し、太陽光発電製品の輸出額は4年連続で2000億元(約4兆1440億円)を超え、リチウム電池の輸出額は過去最高を更新する見込みだ。

 一部のスイスメディアは「中国の輸出品目リストを見れば、世界中でエネルギー転換を推進しているのが誰なのかがすぐ分かる」と指摘している。

 中国のグリーン製品とグリーン技術は、世界のグリーン転換を推進し続けている。これは、30年以上前にイギリスの経済学者ロナルド・コース(Ronald Coase)が下した「中国の奮闘は全人類の奮闘である」という判断を改めて裏付けるものだ。

 なぜ中国のグリーン産業は急速に発展し、世界のグリーン転換をリードすることができたのだろうか?

 巨大な市場需要、効果的な政府指導、良好な産業配置、熾烈な市場競争など、その要因は、人と自然の調和と共存を堅実に追求する中国式の現代化にある。

 昨年の中国の風力・太陽光発電の設備容量は14億キロワットを超え、2030年の目標を前倒しで達成した。新エネルギー車の生産台数は初めて1000万台を突破し、生産・販売台数はそれぞれ前年比34.4%、35.5%の伸び率を記録した。

 GDP1万元(約20万7200円)当たりのエネルギー消費量は前年比3.8%減少し、 GDP1万元当たりの年間CO2排出量は前年比で3.4%減少した。

 これらのデータの背後には、中国の生態文明建設のリズミカルな歩調、「天人合一(自然と人は合一であるべき)」という思想、「道法自然(古代の思想家・老子が説いた『道は自然に則るもの』という思想)」の中国文化の輝かしい伝統、そして新時代における自然のあり方と地球規模の生態文明建設の参加者、貢献者、リーダーとしての中国の責任感がある。

 グリーン変革を推進する上で最も大事なことは、根気強い継続と約束を守ることであり、最も避けるべきは「朝令暮改」の政策変更と口先だけで信用できない行為だ。

 国際社会の観察者が指摘しているように、環境保護に関する世界的な議論は数十年にわたって続けられてきたが、常に大きな問題となっていたのは、政策理念をいかにして実践に結びつけられるかという点だった。

 中国が環境保護型発展で大きな進歩を遂げたことで、初めて「歴史的な転換点」が訪れた。

 中国は、生態環境を保護することは生産力を保護することで、生態環境を改善することは生産力を発展させることだという素朴な真理を固く信じている。中国は生産力システムの再構築を率先して行い、生態環境保護と経済発展の「ジレンマ」を「ウィンウィン」の状況に変え、人類の現代化の歴史に新たな章を書き加えた。

 人類は今、将来の生存と発展を決定づける「緑の革命」を経験している最中だ。自然と調和した持続可能な発展を実現する以外に、人類の未来への出口はない。

 中国は新エネルギー産業を精力的に発展させ、国際的な環境保護協力に積極的に取り組み、各方面と協力して生態文明の基礎を築き、環境に配慮した発展の道を歩み、環境に配慮した世界の現代化を推進し続けている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews