【4月24日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は23日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を激しく批判し、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ領クリミア半島の支配を受け入れなかったことが紛争終結に失敗した原因だと主張した。

米、ウクライナ、欧州諸国の政府高官が英国での会合を終えるタイミングで、トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、合意は「非常に近い」と述べる一方、ロシアの侵攻で始まった紛争の終結に向けて、米国が提示した条件をゼレンスキー氏が拒んだのは凄惨(せいさん)な戦闘を長引かせるだけだと訴えた。

トランプ氏によるゼレンスキー氏批判に先立ち、J・D・バンス米副大統領は、ロシアがクリミアを含む既に占領している広大なウクライナ領を保持するという米国側の和平合意案を提示。

ゼレンスキー氏はウクライナ憲法に違反するとして拒否した。

これを受けトランプ氏はゼレンスキー氏を「扇動的」で、「ロシアとの和平交渉に非常に有害な」立場を取っていると激しく批判。

ゼレンスキー氏に「(交渉の)カードは何もない」として、「和平を実現するか、あと3年戦い続けて国全体を失うかだ」と続けた。

トランプ氏は、ロシアが長年にわたり海軍基地を保有しているクリミア半島については、「何年も前に失われた」ものであり、「論点ですらない」と述べた。

米ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は同日その後、トランプ氏は我慢の「限界に達している」と説明。

トランプ氏は和平を望んでいるが、「この戦争の当事者双方がそれに同意する必要がある。そして残念ながら、ゼレンスキー大統領は間違った方向に進んでいるようだ」と述べた。

トランプ氏は23日、ロシアはウクライナ紛争終結に合意したと考えており、ゼレンスキー氏が抵抗しているとの認識を示した。

トランプ氏は大統領執務室で記者団に対し、「ロシアとは合意したと思う。ゼレンスキー氏とも合意を結ばなければならない」「ゼレンスキー氏とのディールはもっと簡単だと思っていたが、思っていたより難航している」と述べた。(c)AFP