【4月20日 CGTN Japanese】中国の科学研究チームはこのほど、視覚障害者の走行を支援するウェアラブルAIアシスタントシステムの開発に成功しました。このシステムは視覚、聴覚、触覚を統合し、AIアルゴリズムで環境を測定し、着用者が障害物や物体に接近したときに信号を送信し、移動や握る行為などの視覚任務を完了するよう誘導し、自立した生活能力を高めることができます。

 この医用生体工学分野におけるAIの重要な応用研究は、上海交通大学の顧磊磊准教授チームが復旦大学、香港科技大学、華東師範大学などの研究者らと共同で完成し、関連成果の論文は北京時間14日、シュプリンガー・ネイチャー傘下のオンラインジャーナル「ネイチャー・マシンインテリジェンス(Nature Machine Intelligence)」に掲載されました。

 論文の著者の紹介では、視覚障害者と一部の視力障害者にとって、ウェアラブル電子視覚補助システムは医学的治療と人工体移植のほかに有望なもう一つの代替選択肢となっています。これらの装置は環境内の視覚情報を聴覚や触覚など他の感覚信号に変換して日常的な作業を支援することができますが、現在多くのシステムは使用中の負担が大きすぎて、広範な視覚障害者に受け入れられていない状態とのことです。

 この難題に対して、研究チームは人間本位の視覚障害者を支援するシステムを設計・開発し、AIアルゴリズムとハードウェアの協調的なイノベーションを通じて、システムの使用負担を減少し、使いやすさを向上させました。このシステムはAIアルゴリズムにより、デバイスに搭載されたカメラが撮影した映像を分析し、立体音響を通じて脳に伝達し、使用者に最終目標を達成するよう徐々に誘導します。同時に、研究チームは手首に装着できる伸展可能な人工皮膚を開発し、振動信号を使用者に伝え、観察範囲を拡大し、両側にある静的・動的障害物を避けることができます。

 研究チームは、開発したAI支援ウェアラブルシステムの機能を人型ロボット(ヒューマノイド)にテストさせ、視覚障害者を対象に仮想環境と実環境の中で訓練とテストを実施しました。その結果、視覚障害者は誘導中と誘導後のタスクにおけるパフォーマンスが顕著に向上したことを発見しました。例えば、訓練とテストに参加した視覚障害者はテーブルや椅子が多く置かれた会議室を通り抜け、特定の物体をつかむことができたとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News