【4月16日 AFP】世界保健機関(WHO)の加盟国は16日午前2時(日本時間同日午前9時)ごろ、将来のパンデミック(世界的流行)への対応を目的とした「パンデミック条約」の策定交渉で合意に達した。新型コロナウイルス感染症の危機を教訓とし、交渉は3年以上にわたり行われていた。

この画期的な合意について、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「本日、(スイスの)ジュネーブで各国が歴史をつくった」と語った。

さらにテドロス氏は、「パンデミック条約への合意により、世界をより安全な場所にするための世代を超えた協定が整っただけでなく、多国間主義は今なお生きていること、そして世界が分断されていても、各国が共通の基盤と共通の脅威に対して協力して対応できることを示した」と評価した。

新型コロナによって数百万人が死亡し、世界経済が壊滅的な打撃を受けてから5年が経過する今、H5N1型の高病原性鳥インフルエンザ、はしか、エムポックス、エボラ出血熱など、新たな潜在的リスクが懸念されており、今回の条約合意の必要性と緊急性は一層高まっていた。

最終的な条約案は来月、WHOの年次総会に提出され、正式に締結される見通しだ。(c)AFP