【4月16日 Xinhua News】中国の環境保護産業はここ数年、成長し続け、水、大気、固形廃棄物、土壌、環境モニタリング、環境修復、汚染物・二酸化炭素(CO2)の排出削減などの重点分野におけるシステム化された手順・技術・設備・サービスが形成され、産業規模は2兆2億元(1元=約20円)を超えた。北京市で12日まで開かれた「第23回中国国際環境保護展覧会(CIEPEC2025)」および「第7回生態環境保護産業革新発展大会」で明らかとなった。

 産業の担い手は民間企業が9割超を占め、イノベーションや雇用の創出などに大きく寄与している。産業に関わる経営主体(企業や事業者)も多様化し、70社以上が環境保護関連事業に取り組み、25を超える省(自治区・直轄市)が環境保護集団を新設、本土の人民元建て株式(中国A株)に上場する関連企業数は2012年の86社から約230社に増加した。

 産業の能力が大きく向上した。大気汚染対策では、石炭発電ユニットの95%以上で超低排出設備への改造が施され、超低排出設備へのアップグレードが今年に入って完成した鉄鋼生産能力は80%を超えた。24年に全国の地級市以上の都市で微小粒子状物質「PM2・5」の平均濃度が1立方メートル当たり30マイクログラムを下回り、中国は世界で最も速く大気質が改善した国となった。水質の改善効果も目覚しく、地表水の質が「優良(水質基準5段階のうち上から1~3段階)」だった断面水質の割合は24年に初めて90%を上回り、生活排水の処理率は都市部で99%に近づき、農村部では45%を超えた。河川の水質は、長江本流で5年連続、黄河本流で3年連続、それぞれ水質基準5段階のうち上から1~2段階を維持した。固形廃棄物の処分とリサイクルも成果を上げ、都市部の生活ごみの無害化処理率は100%に迫り、工業固形廃棄物の総合利用率は6割を超えた。全国の汚染耕作地の安全利用率は90%以上に達した。

 炭素排出権取引などのメカニズムは、グリーン(環境配慮型)資産の価値転換を力強く推し進め、24年末時点で全国の炭素排出権取引市場の成約額は430億元に達した。産業のエコ化も加速し、クリーン電力・クリーン鉄鋼生産体系の規模は世界上位を占める。

 技術イノベーションと基準の制定は産業の高度化を後押ししている。中国の24年の環境技術関連特許の出願数は10万件を超え、発表された国家生態環境基準は3千項目以上となった。この20年で、新規基準の割合は全体の50%を超え、環境保護・環境修復分野の団体による基準の発表は1千項目を上回った。(c)Xinhua News/AFPBB News