中国の研究者が新しい方法を提案 水稲などの収量向上に期待
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【2月2日 CGTN Japanese】中国科学院分子植物科学卓越革新センターによると、同センターの林鴻宣院士(院士は中国における技術分野の最高研究機関のメンバーを指す)のチームと上海交通大学の林尤舜準教授のチームの最新の共同研究で、植物ホルモンのジベレリン(gibberellins, Gas)の濃度を正確に調整することで、主要な栽培品種の耐性と収量のトレードオフの壁を突破し、水稲の耐アルカリ・耐熱性と収量を同時に向上させられることが発見されました。
この研究では、ATT 2遺伝子がジベレリン濃度を微調整できることが明らかになりました。この遺伝子により、イネの縁の革命で開発された半矮性イネ品種のジベレリン濃度を最適な中程度のレベルに精密調整し、活性酸素と耐逆性遺伝子の組換えタンパク質のメチル化レベルのバランスをとり、それによって耐アルカリ・耐熱性と収量をさらに向上させ、過酷な環境下でも安定した収量を実現できます。
同研究ではさらに、内因性の改良によるATT 2遺伝子または、ジベレリン「920」等の外因性の植物成長調節剤の利用により、ジベレリンを中程度に微調整し、環境ストレスによる収量損失を最小限に抑えられることを提案しています。これらの方法は水稲、小麦、トウモロコシなど主要な食糧作物の育種改良に広く応用されることが期待され、「高収量・高耐性」の新品種の育成に重要な理論的根拠を提供するとともに、広い面積の塩性アルカリ土壌の開発・利用に向けた新たな戦略となることが期待されています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News