中国の科学者 世界初のイネ属の全スーパーパンゲノムマップを作成
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【12月7日 CGTN Japanese】中国工程院の院士(アカデミー会員)で、中国東部の江西省農業科学院の顔龍安研究員が率いるチームと中国北部の河北大学の杜会龍教授の率いるチームが連携して、世界初のイネ属の全スーパーパンゲノムマップを作成したことが2日に発表されました。関連の研究成果は「ネイチャー・コミュニケーションズ」(電子版)に掲載されました。
同研究グループはイネ属のほぼ完璧な野生イネ種のゲノム13個を組み合せ、すでに公開された一般的な野生のイネ、アジアの栽培イネ、アフリカの栽培イネのゲノムを結合して、計10万1723個の遺伝子ファミリーを含むイネ属の全スーパーパンゲノムマップを作成したとのことです。うち、イネ属共有の中核的遺伝子ファミリーは9.84%を占めており、これまで栽培イネから未発見の新しい遺伝子ファミリー計6万3881個が特定されたことから、利用可能なイネの遺伝子が1.7倍に増えたとのことです。また、質の高いゲノムマップに基づき、研究グループはイネ属の進化関係をゲノムのレベルから初めて再構築したとのことです。
耐病性遺伝子について、イネ属から計7048個の耐病性遺伝子が特定され、うち栽培イネから237個、野生のイネから384個で、栽培イネの耐病性遺伝子がクラスターとして存在しているのに対し、野生のイネの耐病性遺伝子は単独で存在していることが検証されました。
さらに、今回の研究で特定されたスーパーパンゲノムはイネの遺伝的改良範囲を拡大し、野生のイネの革新的利用に重要な理論的意義と応用の価値をもたらしており、イネ属の進化と育種に重要な支援を提供するとみられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News