【11⽉2⽇ Peopleʼs Daily】中国・広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)では、患者救急用血液をドローンが30分で病院に届けている。自動車より30分以上も早い。深セン市から珠海市(Zhuhai)まで固定翼無人機が伶仃洋を越えて貨物を輸送する。使われている機材はいずれも、江西カン州低空域経済産業パーク(以下、パーク)から来たものだ。

 中国民用航空局の地方支援部門の幹部である茅俊傑(Mao Junjie)氏は2016年に、江西省(Jiangxi)赣州市(Ganzhou)南康区(Nankang)は交通や地理条件が良好として、無人機試験区の設立を提案した。この考えはすぐに局と地方政府の支持を得て事業が始まった。南康区はパーク建設のために、2022年に5億元(約107億円)以上を投じて高速道路出口そばに1000ムー(約0.67平方キロ)の土地を調達した。

 パークの無人機作業のチーム長を務めるのは南康区無人機産業発展の鄢浩林(Yan Haolin)社長だ。鄢社長は「われわれは半年の試験を経て、南康区北部の山間部に16本の航路を開設しました。2017年にはドローンによる物流の試験が始まりました」と説明した。ドローン物流はパークの中で最も早く出現し、現在も最も重要な産業分野だ。

 物流大手の順豊エクスプレス(SF Holding)の関連会社で無人機輸送の開発を手がける江西豊羽順途科技も南康に拠点を置く。条件が整っていると判断したからだ。鄢社長は、「無人機の試験には風洞や高低温などの実験室が必要で、長距離航続や大積載量の無人機には広大な飛行空域が必要です。南康はこれらの条件を満たしています」と説明した。

 パークでは設計当初からテスト環境の整備が考慮され、部品工程テスト、機械製品全体の検査認証、低空飛行空域管理、操縦士訓練などの全産業チェーンが集結するパークが出現した。そのことで、さまざまな業務を担う企業が集結して、交流と協力に利便性がもたらされた。

 明徳新材は2015年に深センで設立されたドローン製造の大手だが、2023年11月に本社を南康に移転した。同社の彭小勇(Peng Xiaoyong)会長は、「ここの空域条件は非常に良好で、基準を満たす飛行場もあります」と説明した。

 赣州低空域経済産業パークには操業を開始した企業が7社、さらに業務用運航拠点を置く3組織、契約して入居した企業が4社あり、契約額は50億元(約1070億円)を超えた。

 豊羽順途の関係責任者である玄福倫(Xuan Fulun)氏は、「南康の試行から三つのモデルが派生しました。まずドローンによる特色ある農産物の輸送、次に深センで普及した都市物流、さらに農村部での宅配便の配達です」と述べた。

 順豊は南康での経験を生かした物流モデルの他の地域での普及を開始した。江西省南部でのネーブルオレンジ輸送や四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州(Garze Tibetan Autonomous Prefecture)での松茸の輸送などだ。

 豊羽順途は全国で累計352路線を開設し、飛行は95万回以上、輸送貨物は約380万件、輸送重量は2293トン以上、飛行距離は482万キロ以上に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News