科学技術を全面導入した太湖のカニ養殖産業
このニュースをシェア
【5⽉31⽇ Peopleʼs Daily】中国の江蘇省(Jiangsu)と浙江省(Zhejiang)の境にある太湖では、2019年に従来型の囲い網養殖が全面廃止された。一方で、江蘇省蘇州市(Suzhou)呉江区(Wujiang)七都鎮(Qidu)では浦江源太湖カニ生態養殖モデル園(以下、「モデル園」)が建設された。
20年以上のカニ養殖経験がある張建良(Zhang Jianliang)さんは、モデル園の100ムー(約0.067平方キロ)の養殖池を請け負っている。張さんは岸辺にある金属箱を指して、「水産養殖IoT自動制御システムです」と説明した。水中の酸素濃度の低下はカニ養殖の大敵だ。以前は経験で判断するしかなかったが、今では自動システムが即座に教えてくれる。濃度が基準値を下回れば酸素増加装置が自動的に起動する。また、無人自動給餌船が正確な給餌を行う。
張さんは、「科学技術を利用することで酸素補給や給餌がより正確になりました」と説明した。かつては「食えるか食えないかは天候次第」だったが、今では標準化された養殖の実現で年間20万~30万元(約431万~646万円)を稼ぐことも難しくないという。
モデル園の全体計画面積は2万7255ムー(約18.2平方キロ)で、うち中核エリアは4225ムー(約2.8平方キロ)だ。これほどの規模の養殖産業パークが、太湖の極めて厳しい環境保護基準とどう両立するのだろう。
モデル園の管理人である奚斌(Xi Bin)さんは、「中国科学院(Chinese Academy of Sciences)水生生物研究所が設計した複合人工湿地水処理工法によるシステムで、水の浄化を行っています」と説明した。実際に、モデル園の東側には、高低差のあるいくつかの池が寄り添うようにあり、水面には葦が連なって水鳥が時おり踊る。池などで処理された水はカニ池に還流させて太湖には排出されないとのことだ。
モデル園の技術者である徐俊宇(Xu Junyu)さんはスマートプラットフォームを通して養殖家の周勝良(Zhou Shengliang)さんからのドローンによる支援要請を受けた。
徐さんは慣れた手つきで餌をドローンの投入口に入れた。携帯電話で指示すると、衛星測位システムを搭載したドローンは発進した。徐さんは「航速、針路、餌の投入密度などを事前に設定しており、定時・定量・定点投入を行うことができます。30ムー(約0.02平方キロ)のカニ池は、人の手による給餌ならば半日はかかりますが、ドローンなら数分で終わります」と述べた。
モデル園のスマートプラットフォームは、園全体の状況を把握して指示を出す「園の巨大頭脳」だ。モデル園のカニ池には各種センサーが多数設置されており正確なデータを提供している。
モデル園が完備した付帯サービスは、生産段階だけではない。物流配送センターには、自動化設備がずらりと並んでいる。カニを自動結束機に入れると、5秒ほどで結束が完了する。パイプラインはカニの重さに応じて自動仕分けを行う。モデル園はデジタル技術を養殖経営に密接に結合することで、養殖農家や起業家が豊かになるよう導いている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News