【5月17日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が16日にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と戦略的関係の深化に向けた共同声明に署名したのを受け、米国は同日、習氏はロシアへの支援と西側との関係改善を両立させることはできないと警告した。

 米国務省のベダント・パテル(Vedant Patel)報道官は記者団に「中華人民共和国は同時に二つの利益を得ることはできない」と述べた。

 パテル氏はロシアによるウクライナ侵攻に言及し、「(中国は)欧州安全保障に対する長年の最大の脅威(ロシア)への支援を続けながら、欧州などとの関係(改善)を求めているが、両立させることはできない」と述べた。

 米国は中国について、ロシアに直接武器を供給していないものの、同国の旧ソ連時代以来最大となる防衛産業の拡大を支援していると非難している。アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官が先月訪中した際も、この問題を提起した。

 習氏とプーチン氏は16日、北京で会談し、両国の関係は世界を「安定化」させるものだと主張した。

 これに対しパテル氏は、中国によるロシアの防衛産業への支援は「ウクライナだけでなく、欧州の安全保障をも脅かす」と述べた。(c)AFP