【5月15日 AFP】フィリピンの市民グループを乗せた漁船団が15日、中国と領有権を争う南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)に出発した。同礁はフィリピン・ルソン(Luzon)島の西約240キロにあるが、現在中国が実効支配しており、近海では2週間前にフィリピンの巡視艇などが中国海警局の船舶に放水銃で攻撃されたばかり。

 主催者によると、船団は4隻の漁船とアウトリガー(舷外浮材)付き小型漁船で構成。約100人が乗船し、北部の港を出港した。フィリピン沿岸警備隊の船舶も護衛のため同行する。

 南シナ海の権益保全を訴える市民団体「アティン・イト(Atin Ito)」のラファエラ・ダビッド氏は14日、「われわれのミッションは国際法にのっとった平和的なものであり、主権を主張するのが目的だ」とし、挑発が狙いではないと説明した。

 さらに、スカボロー礁の近海では中国船が跋扈(ばっこ)しているようだがひるむことはないとし、「WPS(南シナ海のフィリピン名『西フィリピン海』の頭文字)はわれわれのものだ」と記されたブイを投下する計画だとしている。(c)AFP