【5月15日 AFP】フランスの最高行政裁判所である国務院は14日、レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の相続人の代理人だと主張する団体が起こした名画「モナリザ(Mona Lisa)」の返還請求の訴えを却下した。

 ダビンチの相続人の代理人を務めていると主張する団体「International Restitutions」は、1519年に当時の仏国王フランソワ1世(Francis I)が世界的に有名なモナリザを自分の物にしたと主張。1797年以降、同作品を所蔵しているパリのルーブル美術館(Louvre Museum)からモナリザを撤去し、「正当な所有者」に返還するべきだと訴えていた。

 同団体については、本部も代表者も分かっていない。

 国務院は、違法な主張で手続きの「悪用」だとして、団体側に罰金3000ユーロ(約51万円)の支払いを命じた。また、フランスの王政下の「決定」については、審理する立場にないとした。

 ダビンチは1516年、フランソワ1世の保護を受けてフランスに拠点を移した。祖国イタリアを離れる際に多数の絵画を携えており、その中には1503~06年に制作したモナリザも含まれていた。

 ダビンチは、高額な年金と引き換えに国王に自身の作品を提供。こうした作品群は仏王室のコレクションとなり、以降、同国で所蔵されている。(c)AFP