【5月14日 AFP】紛争や自然災害により自国内で避難生活を余儀なくされている世界の「国内避難民」は、2023年末の時点で過去最多の7590万人となった。ノルウェー難民評議会(NRC)が設立した国内避難民監視センター(IDMC)が13日、年次報告書を発表した。スーダンとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での紛争が増加の要因となっている。

 国内避難民の数は、過去5年間で50%以上増えている。

 IDMCの報告書によれば、約7600万人の国内避難民のうち、紛争や暴力が要因となっているのは6830万人、災害は770万人。過去5年で、紛争による国内避難民は2260万人増加し、特に2022年と2023年に急増した。

 2008年の調査開始以降、国・地域別で最多となったのはスーダンの910万人だった。

 また、昨年1年間に新たに避難を余儀なくされた人はのべ4690万人に上った。紛争や暴力が要因となった2050万人のうち、3分の2近くをスーダン、コンゴ民主共和国、パレスチナ自治区ガザ地区の人々が占めた。

 IDMCのアレクサンドラ・ビラク(Alexandra Bilak)代表は、「この2年で紛争や暴力によって自宅を追われた人々の数は、憂慮すべき水準に達している」と指摘。「紛争のみならず、紛争による荒廃によって、数百万人の生活再建が妨げられている」と警鐘を鳴らした。(c)AFP