【5月11日 AFP】男子テニス元世界ランキング3位で、2020年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)覇者のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)は10日、今季限りでの引退を発表した。

 30歳のティエムは、長引く手首のけがなどを理由に挙げ、現役生活は浮き沈みがあったが「信じられないような旅」だったと振り返った。引退については「慎重」に「ずっと前から」検討していたと明かしつつ、「(決断には)非常に満足しているし、これから待ち受ける全てのことが楽しみ」と語った。

 新型コロナウイルスの影響で無観客で行われた20年の全米オープン決勝でティエムに敗れたアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は「彼は偉大なチャンピオン。ビッグ3を相手の得意なサーフェスで倒すことができた数少ない選手だ」とティエムをたたえつつ、「自分はツアーにおける親友の一人を失うことになる。個人的にはそれが一番大きい」と引退を惜しんだ。

 ティエムは、手首のけがで一時9か月間ツアーを離脱し、22年6月には世界ランクを352位まで落とした。キャリア通算では17勝を記録。全仏オープン(French Open)で2度、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)で1度準優勝し、シーズン最終戦のATPファイナルズ(ATP Finals)でも2度準優勝した。(c)AFP