■暗躍するモサド

 イスラエルは長年、対外特務機関モサド(Mossad)を通じてイラン国内で破壊工作を行ってきたと考えられている。

 イスファハンでのイスラエルによる攻撃について、イラン政府側は大した被害ではないと取り繕う姿勢を見せ、ホセイン・アミール・アブドラヒアン(Hossein Amir-Abdollahian)外相は米NBCテレビに対し、使用された武器は「おもちゃのようなもの」だったと述べた。

 だが、エルサレム安全保障戦略研究所(JISS)のアレクサンダー・グリンバーグ(Alexander Grinberg)氏は、イスラエルが選定した攻撃目標それ自体が、モサドがイラン国内で活動している証拠だと指摘する。

「『われわれはイラン国内のどこでも攻撃できる』というのがイスラエルのメッセージだ。イスファハンはイラン中部にあり、(イスラエルから)かなり遠い。イスラエルは、攻撃できる場所を正確に把握していることになる」

 さらに、イスファハンにある空軍基地が攻撃されたとイラン側が認めないのは当然だとし、「実際の被害規模を認めてしまうと、敵の威力を認めることになるからだ」と述べた。

 米シンクタンク「大西洋評議会(Atlantic Council)」の上級研究員、ホリー・ダグレス(Holly Dagres)氏は、イスラエルの攻撃にクアッドコプターが投入されていたのであれば、「それらはイラン国内から飛ばされた可能性が高い」と指摘。

 これも「モサドがイラン国内で自在に暗躍していることを示す一例」と言えるだろうと述べた。(c)AFP/Stuart Williams