【4月17日 AFP】マルハナバチの女王バチが、水中で数日間生き延びたとする実験結果が17日、英国王立協会(Royal Society)の科学誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に発表された。気候変動によって増加している洪水が地面の下の巣穴を脅かしても、冬眠中のハチが生き延びる可能性を示唆しているという。

 論文の筆頭著者を務めたカナダ・オタワ大学(University of Ottawa)博士研究員のサブリナ・ロンドー(Sabrina Rondeau)氏は、土壌中の残留農薬が冬眠中のマルハナバチの女王バチに及ぼす影響を調べていたが、その際にハチを入れていたチューブに水が入ってしまい、そこで女王バチが生き延びていることに偶然気が付いた。

 より詳しく調べるため、同氏はさらなる実験を行った。研究チームは冬眠中のマルハナバチの女王バチ143匹をチューブに入れ、水に完全に沈めたグループ、水に浮かべたグループ、水をまったく入れないグループに分けた。水に沈めた期間は、8時間から7日間と幅を持たせた。

 すると驚くべきことに、水没させた女王バチの81%が7日間生き延びた上に、乾燥状態に戻してから8週間後も生存していた。

 健康状態への長期的な影響やコロニーへの影響については、さらなる研究が必要だとした。

 この研究で使われたマルハナバチは特に丈夫な北米の固有種で、他の種のハチほど個体数の減少は見られないという。この形質がどの程度一般的なものなのかを調べるためには、他の種のマルハナバチで同じ実験を行う必要がある。

「少なくとも(洪水が)考慮すべき別の大きな脅威の一つではないということが分かったのは心強い」と同氏は語った。(c)AFP