【4月8日 AFP】(更新)ロシア南部オレンブルク(Orenburg)州の都市オルスク(Orsk)で集中豪雨とダム決壊による洪水が発生し、7日までに数千人が避難を余儀なくされた。政府は同日、被災地は「危機的」な状況にあるとするとともに、西シベリア地方でも洪水の危険を警告した。

 非常事態省はSNSに「シベリア、プリボルジェ(Privolzhye)、中央連邦の一部地域では気温の上昇に伴い融雪が進み、河川の氾濫が予想される」と投稿。「住宅1万400戸以上に浸水被害が出ている」とした。

 オレンブルク州ではウラル川(Ural river)が氾濫し、連邦緊急事態が発令された。カザフスタンとの国境に近いオルスクで洪水が発生した他、州都オレンブルクにも危険が迫っている。

 集中豪雨により、オルスク近くのダムが5日夜に決壊。当局は、降雨が続けば水位はさらに上がる恐れがあるとしている。

 公開された写真には、ほぼ全域が浸水したオルスクの様子と、屋根を残して水没した車両が確認できる。

 当局によると、オルスクでは4500人が避難。オレンブルク州内の6500戸に浸水被害が出ている。

 被害が最も大きいのは人口約20万人のオルスクだが、約56万人のオレンブルクでもウラル川の水位は急激に上昇している。

 オルスクを視察したアレクサンドル・クレンコフ(Alexander Kurenkov)非常事態相は「現地は危機的な状況にある」と述べた。

 政府は「自然の異常」を警告し、西シベリアのクルガン(Kurgan)、チュメニ(Tyumen)両州にも洪水に備えるよう呼び掛けた。(c)AFP