【4月1日 AFP】フランスのジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は31日、安全上の懸念からボランティアなどから「善意無き」800人をパリ五輪から除外したと明らかにした。

 ダルマナン内相は仏ニュース専門局LCIに対し、「フランス国民は五輪に携わろうとする人すべてを必ず検査していることを知っておくべきだ。ボランティアや聖火ランナー、歓迎してくれる人たちだ」と述べた。

「実施すべき検査は100万件あり、これまでに18万件を終えた。『フィシュS(安全保障上の脅威を及ぼしたりする恐れのある人物の情報を集めた仏当局のリスト)』に乗っていた15人を含む800人を除外した」「つまり、聖火ランナーになろうと、五輪でボランティアになろうと登録した人々の中には、明らかに善意無き人々がいたことを意味する」

 ダルマナン内相によると、除外された人物の中には「イスラム過激派」や「抗議を望む急進的な環境活動家」もいたという。

 仏内務省によると、治安部隊は五輪を前に選手や主要インフラの近くに住む住民を含む最大100万人の調査を行っている。7月26日の開幕に先立って、五輪では1万500人、パラリンピックでは4400人の選手が身元調査の対象となり、コーチや医療スタッフ、そして公認ジャーナリスト2万6000人も同様に検査を受けることになる。

 フランスは過去10年、「イスラム国(IS)」などイスラム過激派の標的となっている。昨年10月にはイスラム主義者とみられる人物が北部の学校に乱入して教師を刺殺した事件が発生しており、テロ攻撃に対する最大の警戒態勢を敷いている。

 また、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)による軍事衝突が、国内の緊張を悪化させているともみられている。(c)AFP