【3月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の興行主である米リバティメディア(Liberty Media)が、ロードレース世界選手権のMotoGPシリーズを主催するドルナスポーツ(Dorna Sports)を40億ユーロ(約6500億円)で買収することに近づいていると、複数のメディアが28日に報じた。

 リバティメディアは四輪レースでの成功に弾みをつけ、今度はスペイン・マドリード拠点のドルナスポーツが運営する、収益性の高い二輪レースへの参入を視野に入れている。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、サッカーフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を所有するカタール企業や、スポーツ・エンターテインメントのTKOグループ・ホールディングス(TKO Group Holdings)からの関心を抑え、リバティが契約締結の先頭に立っているとされている。

 ドルナスポーツはMotoGPに加え、スーパーバイク世界選手権(WSB)と電動バイクシリーズのMotoEの所有権を保有している。

 この買収が成立した場合、F1とMotoGPの両方を所有するコングロマリットはリバティメディアが初めてではない。CVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Parners)は、欧州連合(EU)の規制当局から懸念を示され、2006年にF1を買収するためにMotoGPを売却することを余儀なくされるまで、この立場を維持していた。

 F1の人気は、2017年にリバティメディアがCVCに80億ドル(約1兆2000億円)を支払って買収してから急上昇している。リバティメディアのグレッグ・マフェイ(Greg Maffei)最高経営責任者(CEO)は昨年、F1は売り物ではないものの現在では200億ドル(約3兆円)を超える「とんでもない」価値があると示唆していた。

 この件に関するAFPの取材に対し、ドルナスポーツとリバティメディアはいずれもコメントを出していない。(c)AFP